根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【ゲーム】ファイナルファンタジーⅫが好きだという話

 ファイナルファンタジーⅫが好きだ、という話。

 

 気が滅入る日々が続いておりますが、どうにか生きねばなりません。神経を研ぎ澄ませ今を注視していく必要があります。そんな中でも自分のモチベーションは自分であげていかないとね!ということで、ファイナルファンタジーⅫに手を出しました。

 ファイナルファンタジーⅫは2006年3月の発売ですから今からかれこれ14年前のゲームになりますが、ニューゲームのボタンをぽちっと押してチュートリアルを消化し、ふっと一息。私は確信しました「今でもめちゃめちゃ面白い」ファイナルファンタジーなんて7はやってないし、3, 9(やったかな、怪しい)10, 12, 13シリーズを遊んだだけのにわかかもしれないけど、12が面白いだろ、10も13も好きだけど!!!ということで私はこの文章をしたためています。実はブログにあげるつもりで書いていたけれど、まさかの全消去してしまったので書き直しです。もう書き始めから全然違う文章になってしまいました。誰かに説明するための文じゃないので、あらすじとかは全カットです。

 

 ニューゲームを選択して、今は顔がトマトの賞金首モンスター(モブといいます)であるはぐれトマトを倒して王都ラバナスタの東門のセーブクリスタルでセーブしたところです。一気に終わらせてもいいけれどね、今回は少しずつ少しずつ、飴を味わうように楽しむ予定です。ここまでで約1時間。まだまだバルフレアとも出会ってないので物語は始まってすらいないですが、このゲームの世界や主人公であるヴァンの現在地がわかってきたところで、やっぱり言いたい、このゲーム好きだ。

 何が好きって、やっぱり世界観でして。イヴァリースという架空の世界を舞台に、誰が世界の覇権を握るのか、大国間のにらみ合いに巻き込まれるダルマスカという小国。その王女・アーシェの悲願をかなえるストーリーという縦糸と、空賊を夢見る孤児・ヴァンやそのガールフレンドのパンネロ、世界を股にかける空賊・バルフレアとその相棒フラン、売国奴として不名誉な称号を与えられてしまった将軍バッシュそれぞれの自由の物語が横糸として、とにかく壮大な物語が織られている作品!!!(熱い)

 主人公はヴァンじゃなくてバルフレア

 うっさいわ!!!

 なんだろうな、ストーリーもいいんです。はぐれトマト討伐時のストーリーとしては、

  •  ダルマスカという国は、東にアルケイディア、西にロザリアという大国の丁度緩衝地帯に位置する場所にあり、大国はそれぞれが世界の覇権を握ろうとにらみ合いをしている状況
  • そんな中ダルマスカの隣国がアルケイディアによって陥落。ダルマスカも抵抗を試みるが降伏することに(和平を結ぶ)。
  • 降伏の調印式で何故かダルマスカ王が暗殺される。降伏が失敗、和平案も没。泥沼化。
  • 結局あまたの犠牲を払ってダルマスカはアルケイディアに無条件降伏。
  • 王都ラバナスタも帝国の統制下におかれ、今日はその執政官が王都にやってくる日。。。

 というわけです。えーん。面白い。

 私が生きる現実で考えてみると、かつてこの世界にも大戦があったわけでして。今どうにか存在している国境も、それを画定する為にどれだけの犠牲が払われたことか。そしてこれからだって変わりうるものなんだってこと。そういうことを考えながらゲームすると、もう、面白いわけです。

 このゲームはモンスターを倒していくと溜まっていくライセンスポイントを、各魔法や装備品、技に振り分けることでそれらを使えるようになったり装備できるようになるのですが、最初、まだ全然モンスターを倒していなくて革の帽子とかしか装備できない、なんなら回復魔法であるケアルは使えないヴァン君が、唯一使えるわざ「盗む」なの、しんどい。孤児であることがしんどいとかじゃなくて、そういう設定、細かいなって。

 そんなヴァン君、夢があって、それは自分の飛空艇(空を飛ぶ船ですね)を持って空賊になること。街の頭上見上げると、青い空と飛空艇、それらを目を細めながら眺めるヴァン。ええん。好き。「夢」とか、そんなのもう今の私にはないです。昔からなかったけど。夢。私も夢が欲しい。そういう青さみたいなものがこのゲームにはあって、なんか久々にゲームしながら「いいないいな」と思いました。

 ファイナルファンタジーⅫは、大国間の覇権争いから人間と神々の争いというか、世界の仕組みを揺るがすような大きな話につながっていくのですが、それでも土台にあるのは「政略」ってのが面白いです。クリスタルの御導きにより、世界に忍び寄る影を成敗する!というのではなく、かなり現実的な物語です。そしてそこに、魔法やらモンスターやら入り込んでいるのが最高。

 また、地政学的な話は出てこないですが、この広大なイヴァリースという世界、様々な街や村、里やダンジョンが点在していて自由に往来できる仕組み。その地形、気候はどういうものなのか、妄想膨らませるのもめちゃめちゃ楽しいです。ダルマスカとかは小国だし王都を囲んでいるのはダルマスカ砂漠とかいう広大な砂漠だし、主要産業はなんなのだろうな。空に浮かんでいる空中都市ビュエルバは魔石の鉱山があって豊かで、そのせいもあるのか治めている伯爵候の手腕なのか、政治的にはかなり中立を保っているとかそういう設定を読むのもいいです(ゲームの中に魔物やら街やらダンジョンやら、設定がきちんと記されているレポートのようなものがあって、活字中毒歓喜の粋な計らい)。

 

 話はまったく変わりますが、私の好きな話*1に登場するチハラトーコという人がいて。その人は人形のような美貌を持つ一方で、根っからのオタクで。好きなゲームやアニメがどこからやってきたのか、調べるのが好きだ、と言っていて。別に深く調べはしないけれど、確かに現実を下敷きに描かれる物語もあって、それならばゲームやアニメから現実世界を見つめるのも全然ありじゃないか、と。自分の好きなものを通して、その好きなものを取り巻く世界に関心を持つことは全然悪いことじゃないな、とむしろこれからは意識的になることで、もっと面白くなるのではないか、なんてことを考えました。人生は何か明確な目的があって進められるゲームではないのだから。

 ゲームだから悪い、なんてそんなことない。ファイナルファンタジーⅫをまた遊びながら、私はあの頃想像してなかった未来にいることや、あの頃持ってたものを失っていることに気づかされます。過去を振り払って行こうと思えば世界の果てまで行けること。何より世界はとんでもなく多様で多彩で広いのかもしれない、ということを私はこのゲームから教えてもらったのでした(このゲームではいわゆるヒト型は「ヒュム」と呼ばれ「モーグリ」や「ヴィエラ」「バンガ」といった様々な種族がいるんです)。

 コロナウイルスが広がっているということで家に籠ることで思わぬ発見というか、楽しみができました。それでもコロナは許さんがね。久々に、昔のゲームを引っ張り出すってのもいいです。

 

ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ - PS4
 

*1:辻村深月『光待つ場所へ』(「チハラトーコの物語」より)ちなみに関連して『スロウハイツの神様』では何かを好きであること、それに救われてきたことがある人には刺さる話だと思うのでおすすめ。このブログでもそういえば以前取り上げましたね。よほど好きなんだな私。

【gugudan】ただ一つの鉢を慈しむように/セジョン『植木鉢』

 感性という言葉を使いたくない。感性が豊かだという表現はなんだか逃げな気がする。負けた気がするから。

 


세정 (SEJEONG) - '화분 (Plant)' Official M/V

 

 まだ寒い三月の帰り道。春になっても着たい洋服なんてない。まだコートを着ることができて安心してしまうのが不思議。そんな日に私はこの曲を聴いた。

 

 言葉をまるっと包み込む水の気配。高濃度の保湿液でたっぷりと潤っていてとにかく満ち満ちている曲だと思った。これほどまでに静謐で、しかもそれを保ててしまうことがすごい。

 たっぷりしているのに余白がある。語られない言葉、鳴らない音の空白には、きっと聴く人の記憶や感情がスッと入り込むのだろう。まだ一日が始まっていない、洗い立てのシーツのような朝にコーヒーを飲みながら聴きたい。食材をどっさりと買いこんだスーパーのビニール袋を手から提げて、夕暮れで紅く染まる空を見ながら帰り道に聴くのも良い。誰かの孤独に寄り添い、孤独との付き合い方を一緒に探してくれるような曲だ。そんな曲を、今、聴くことができて、私はとても嬉しい。

 一つの植木鉢を慈しむように、生きることを愛でていけたらそれは素晴らしいことなのだろう。静かに。植木鉢をガシャンと地面に叩きつけたくなることもあるけれど、そこはグッと堪えて。自暴自棄にならないで。たしかに生活を続ける力が私は欲しい。この曲はきっと私を助けてくれるはず。そして私もこの曲を信じている。静かに。確かに。聞き取って。

 

f:id:dorian91:20200317213737p:plain

 

【文房具】気がついたらまた増えていたノートたち

 ハッと落ち着いて考えてみたら、またノートが増えていた。少し前に「これ以上(3冊以上)増やしてはならん!!!」と、ノートの白紙のページに用途とそれに対応するノートを書いて整理したはずなのに・・・。油断していたら6冊になっていた。そして減らすつもりが今のところまるで無い。今のこの状態はなかなか丁度良い塩梅なのだ。だから増やさないし減らさないつもり。でも増えちゃうかもしれない。困ったな。

 ということで自称ノート狂の私が現状のノートLIFEを紹介する企画です。もう十年以上はこの調子なので東急ハンズとかLOFTで売っているノートは大体買って使って捨ててます。生き残ったノートは自分にとってはそれなりに理由があるものなので、書いたら面白いかも。

  1. 日記
  2. 忘れないメモ代わり
  3. 気になった言葉
  4. 勉強
  5. スケジュール管理
  6. 読書と貯金

 

1. 日記

 毎日は書きませんが、中学生ぐらいの時から日記は書いています。日記を続けるコツは毎日書こうと思わないこと、です。あと体裁を揃えると私の場合は続くことがわかりました。見出しをつけて(例えば「夕食」とか「嫌なこと」とか)一日に色んなことを書くこともあれば、一つの事柄をだらだら書くこともあります。読み返したりはしないですけど、稀に半年前何していたっけ?と思うことがあるので、そういう時にぱらぱらとページをめくります。もはや何で続けているかわからないですが、書き終わればまた新しいノートを使うことができるので、もしかしたらそのために書いているかもしれないです。「何のために」が消失し毎日繰り返し行っているものを、人は「習慣」と呼びます。

 

ミドリ ノート MDノート A5  方眼罫 15003006
 

  

 よほどのことがない限り書き味は気にしないと思うのですが、それでもMDノートは書き味が大変良いノートだと思います。罫線にびっしりと文字を並べたい欲求も持ちつつ、それ以上に罫線に閉じ込められているような感じがして方眼タイプを選んでしまいます。無地は無地で拠り所が無くて不安になってしまう。日記は方眼タイプが好きです。MDノートはデザインがシンプルなのもいいです。これに透明のカバー(専用のものではなく東急ハンズとかで売ってた透明のブックカバー)をつけて使ってます。白い故持ち歩きながら長く使っていると汚れてしまうので。そうですね、私は日記は持ち歩く派です。ふと時間があってカフェに寄れるときとか、日記があると書けるなーと思うことが多いので持ち歩くようになりました。今はヨンスン君のポストカード(好きなアイドルグループVERIVERYのヨンスン君です)を裏表紙に挟んでます。人に見られたら中身も相まって二重に死ぬ日記の完成です。絶対落とせない。

 

2.  忘れないメモ代わり

 どうでもよくないことはちゃんと覚えているけれど、どうでもいいことは絶対忘れる(というか新しい事柄に上書きされてしまう)ので、忘れたくないどうでもいいことをメモするメモ帳です。これがなかなかスタイルが固まらず、色々なノートやメモ帳を使っては捨ててます。

 忘れるのだからどうでもいいことなんですけれど、そのどうでもいいことが結構QOLを上げるような感じが私はしていて、だから忘れると悔しいです。なのでメモするようにしているのですが、まだ習慣づけられていないのかメモしたことそのものを忘れるという何とも悲しい事態に。これはーどうにかしたい。でも絶対解決しなければいけない問題ではない。不要不急の問題なのでなかなかうまくいかない。まあ、本当にどうでもいいことなんですけど。

 今はコクヨ測量野帳を使ってます。ヤチョラーです。今は様々な色やデザインがあるので、コレクション目的で頑張って使ってみれば?という方向に持っていきたいです。

 

 

3. 気になった文章

 元々は1. 日記に含まれていたのですが、やっぱり独立させたいなと思って一冊のノートにまとめることにしました。読み返すと自分が好む文章がなんとなくわかって面白いといえば面白いです。大概は小説から引っ張ってるので、読む作家が偏っているとそれだけ文章の雰囲気も似てしまいます。私はなんてことない食事の場面や生活の描写を好む傾向があるようです。

 

 

 これはMARK'Sの横罫ノート使ってます。理由はなんとなくなんですけど、ある程度重厚感があるやつが欲しいなぁと思ったのと、バンドがついているのが良いなぁと思ったのがあります。EDiTは1日1ページ手帳が有名かもしれませんが、とうに挫折済みの人間です。毎日書けないもん。惜しむらくは重厚感を求めるがゆえにそれなりに値段がすること。2000円するかしないかというところ。ま、モレスキンよりは安いし・・・。(ノート狂の戯言)

 

4. 勉強用

 言うて勉強してませんが、本の感想とか記事の切り抜きとか、雑多な事柄を書くノートです。これはリングタイプのA4のノートです。でかい。でかいのでたくさん書ける。好き。

 

5. スケジュール管理

 といっても、むしろその日あった出来事をメモするみたいな使い方をしています。未来の予定も書きますけど、そんなに多忙な人間じゃないので別にカレンダー使わなくてもいいんだよな(インドア派)。

 無印良品のフリースケジュール「ノート・マンスリー A5・32枚」を使ってます。

https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4550182109757

もう1年のはじまりは1月でも3月でも4月でもなくていいんです。私は移植したのもあって9月から始まってます。自分で日付を書きこまなければいけないことも含めて気に入っています。値段も100円ですし。24か月以上使えるので恐ろしく安い。私が飽きないうちはずっと販売していてほしい。

 

6. 読書&貯金管

 同じく無印良品のやっすい罫線付きノートを使ってます。

 書くことは2つで、読んだ本のタイトル、作者、日付を書くのと、貯金用口座の残高をただ書いています。前者を書き始めたのは、ぱっとわかりやすい形で自分がどんな本をいつ読んだのか把握したかったから。読んだ本は別途管理しているのですが、一覧で見たときノートの方がわかりやすいので。それも、以前より真面目に本を読むようになったからです。毎月どれぐらい本を読んだのかきちんと計量的に把握したい(だから罫線つきのノートに一行一行書いています)。日付を書き込むことで本を読む頻度やペースも掴めるし、そうやって自分がコツコツ続けていることを可視化したら面白いのではないかなー(ライフログ的な感じ)ということで去年から始めました。結果ノートが増えた。

 貯金も同じ流れで、自分が特定の期間でどれだけ貯蓄できたのか、純粋に知るのが楽しいという感じです。使ったものを逐一管理することで無駄な消費は控えよう、という戦法は向いてなかったので(なんだかんだ良いものを買うのは楽しい)どれだけ貯められたか?から逆にどれだけ使ったかを把握するという間接的なやり方に切り替えました。これも落とせないノートですね。人に見せられません。

 

 

 ということで、6冊書いてみました。もう増えないと思います(本当か?)

 日記とメモ帳以外はある程度用途が固定化され買い換えの頻度も高くなさそうなので(ペース的に)ノートの冒険をするのはやはり日記とメモ帳になるかと思います。ノートを買うのって本当に楽しいんですよね。早く買い換えたいんですけど、そこをぐっとこらえてこれからも大切に使っていけたらいいなと思います。今までノートにいくら使ったんだろう、ってのは考えないようにします。

【ドラマ】『微笑む人』感想

 うふふふ。観ました。

www.tv-asahi.co.jp

 

 面白かったなぁー。ぞくぞくしちゃう。ということで、考えたことを書こうと思います。原作は読んでいないのですが、原作を読むつもりがある人、ドラマを見るつもりがある人は読まないでください。

続きを読む

【戦隊】わくわくしているぞ/ 『魔進戦隊キラメイジャー』第一話感想

 今年もこの季節がやってきましたね。

  戦隊モノ、新シリーズ、開幕

 

 幼少期にガーっと見て戦線離脱。ルパパトからまた参入という視聴者ですが、日曜の9時半というのはなかなか貴重な時間でして録画で見るテンションでもないし、見たり見なかったりということを繰り返しています。

 新しい戦士たちの初々しい立ち回りを見ると、

繰り返す。私は何度でも繰り返す。同じ時間を何度も巡り、たったひとつの出口を探る。あなたを、絶望の運命から救い出す道を。

 という暁美ほむらさんの言葉を思い出します。

 人生が螺旋状になっている感覚。また3月からやり直さなければいけない虚無。2月の終わりにクライマックスを迎えたヒーローたちの背中を見送り、新しい戦士を迎えるこの感覚。学校の先生方は春になるとこのような感情をいだくものなのでしょうか。去り行く戦士たちとやってくる戦士たちが交錯するこの季節、色々なものを知り考えが固定化されていけばいるほど思考を切り替えることが難しいように思え、自分の老いを、悲しいかな、感じる次第です。

 魔進戦隊キラメイジャー、どうだったか。

 オラ、わくわくすっぞ、です。

 技巧を駆使して心を掴んだルパパト、シリアスでかっこよかったリュウソウの流れを引き継ぎ、とにかくぶっ飛んた初回でした。なんかよくわからんけれど、すごかった。「すごかった…?」という余韻だけが水面にさざ波を作っていて、自分でもよくわかりません。少し言葉にして整理してみます。

 

プリキュア仮面ライダーの融合

 まず最初のイメージはこれです。プリキュア仮面ライダーを混ぜたみたいなものだな?仮面ライダーらしいと感じたのは世界観。なんだかヤシの木みたいなタワービルがにょきっと街に生えていて、多分それは戦士たちの拠点ぽい。これは仮面ライダーだ。そして石が登場してくる。どうやら戦士たちはそれぞれのカラーの石がバディとなっていて、「この人にはきらめきがあるぞ!」と指名されて戦士に変身できるらしい。第一話はキラメイレッドとなる熱田充瑠(高校生)がマブシーナ王女とファイヤさん(石)に出会い変身し他の戦士と協力して蛇口の化け物を倒すところまででした。なんだかプリキュアってそういうものじゃないですか。

 

キラメイジャーを見ているということ

 ただストーリーを見ていくとそういうことは本当にどうでもよくて、絵を描くことだけは好きで得意な充瑠(「じゅうる」と読む。何でこんな変わった読み方なんだと思ったら、単位の「ジュール」とかけているのか。なら問題ない、大いにやれ)がマブシーナ様とファイヤさんに「え?あなたすごいわ!」「おま、すげえよ。できるって!」と褒めてもらうことでむくむくと才能を爆発させて、結果的にマシンまで己のイマジネーションで作っちゃうという、これまでの戦士でおそらく誰も成し遂げたことがなかったのでは?ということを成し遂げてしまった。大体戦士にあてがわれるマシン(とか)って「決まっている」ものですよね。えええ。充瑠よ・・・。

 これを主に子どもたち(とその親御さん)が見ているということが、なんというか、すごいよね…となっていて、ちょっと泣きそうになりました。1年後の充瑠くんの成長に泣く未来が見えた。

 「自分が自分であっていい」という感覚が、自分のまま生きる上でとっても大切ということ。自己肯定感があって初めて人は自分の力を存分に活かすことができるのではないか?ということ。それを子どもや親御さんが見る番組できちんと取り上げられたということ。この意義は、ちょっと無視できないのではないか?世知辛いニュースが続く中に、パッと眩しい光で温かくなった30分でありました。泣く。

 

バディ

 そして見過ごせないのが、戦士とよくわからない石(キラメイストーン、といいます)とのバディ関係。熱い。熱すぎる。例えばキラメイグリーンの相棒マッハさんの紹介文見てみると

キラメイグリーンの相棒。
グリーンキラメイストーンが変形したスポーツカー。相棒の瀬奈を「お嬢様」と呼んでサポートする、イケボの執事魔進。
お嬢様の名にかけて、速攻で終わらせます!

https://www.tv-asahi.co.jp/kiramager/character/

 えええ。何それ。やばい。やばい。個人的にはブルーのエピソード早く欲しいです。キラメイストーンに認められバディ関係を構築するまでの話ちゃんとやってほしい。多分イエローも泣くと思う。ルパパトのグッドストライカーやリュウソウのティラミーゴとはまた違う、五者それぞれの物語があると思うとオラ、わくわくすっぞ、とならざるを得ない。戦隊モノはシリーズによって様々な個性と魅力があるわけですが、様々な方面に今後拡張可能な余地を残している、ってのがすごいなと思いました。

  1. 年下レッドの成長譚
  2. そのレッドからの刺激に感化されてさらに変わっていく年上先輩戦士たち
  3. 創造性豊かな設定を活かした柔軟性ある戦闘と敵の攻略
  4. バディとのエピソード

 今後どうなっていくかわからないけれど可能性がすごいシリーズになりそうだ、という感じです。

 

 あと気になるのは、これからどんどん敵が魅力的になっていくのかどうか、というところで、戦士たちがすごかった分敵がぼやけちゃった感じがあるので敵側にも頑張ってもらいたいです(え?)。敵幹部のデザインがまず好きなのですが、あれよね、リュウソウの雑魚キャラであるドルイドン兵、可愛かったよね…ポーダマンも可愛かったし…その点今回はちょっと可愛くない。これから愛着持てると思います!クレオンの口の悪さ、愛しい…。

 

 ということで、懸念は、これほどまでにオラ、わくわくすっぞ状態なのに「飽きる」ということが平気で起こる私の性格でして、1年見ることができるかしら…というところです。まあ一週先のことをぼんやりと楽しみにしながら見ていきたいと思います。

【お出かけ】白でも黒でもない世界で私は笑えない/『アーティゾン美術館』に行ってた

 二部構成です。「好き」と絡めて少し思ったことと、結構前に『アーティゾン美術館』に行ったときのこと(ずっと書こうと思っていて書けていなかったのです)。

 

白でも黒でもない世界で私は笑えない

 新型コロナウイルスをめぐって世界は混乱しているなぁという感じです。そしてウイルスによって今自分が生きる社会のあらゆる問題が一気に可視化されたような(といってもSNSの普及によりだいぶ前からその傾向はあったと思うのだけど)そんな気がしています。多分多くの人が同じだろうと思いますが、このドタバタで自分が思っている以上に疲弊していることにちょっとしたきっかけで気づき、さてどうしたものか、と思っているところです。基本的に、食べるか、寝るか、運動するか、を総動員してやり過ごす、ぐらいしか気を紛らすことができなくて(趣味ではあんまり気が晴れない。むしろ塞ぎこんでいるときに好きなことしたくない)そりゃあ、消耗しない人はいないよね子の状況、というところでそれぞれご自愛ください、という感じです。

 「白でも黒でもない」というのは、最近思っていることでして、なんというか、色々と明かされる世の中になったなぁ、と思うのです。もちろん隠蔽されることもたくさんあるんですけど、それと同じように誰かの暴露によって大っぴらになること、そこに気軽にアクセスできるようになったことも、以前よりはぐっと増している気がします。個人的には。そうなると、自分が信じていたものがガラッと崩れる瞬間ってのもあるわけで、それまで自分が信じていたもの、好きだったものはどこにいっちゃうのだろう?ってふと思ったのでした。

 私の個人的な意見としては、信じてきたもの、好きだったという感情はそれはそれとして純然たるかけがえのないものだと思っていて、それなのに、どうして私は後ろめたくなったりこんなに傷ついているのだろう、と不思議なのでした。

 この不思議について考えていると、まるでオセロのようだと思います。白も黒も簡単にひっくり返る。でも本来、白と黒、ぱっきりと分かれて存在することなどできないのです。オセロはそういうゲームですけど、人間はそういうものではない。だから「好きだけど嫌い」「賛同できないけれど好きだった」といったように、グレーで曖昧で混沌とした結論になってもいい。だけどそのぐじゃぐじゃ感はどうにも収まりが悪い。白か黒か、どちらかにしちゃったほうが楽だしわかりやすい。

 「私の「好き」が何だか裏切られたような気がする!返してよ私のこれまでの愛情を」

 そうやって迫るのは、なんだか疲れるし。

 白でも黒でもないというのはとても気が張ることだけれど、神経つかって色々考えることはおざなりにはしたくない。好きな服も好きなゲームも好きな曲も、これからも好きって言いたい、と同時に「ぬ?」と思うことから都合よく目をそらさずに。まあ、これを両立しようとして、あたし疲れちゃった、ではあるんですけどね(堂々巡り)。

 

白だろうが黒だろうが(アーティゾン美術館に行ったときのことと)

 随分前になったけれど、リニューアルしたアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)に行ったのでした。白か黒かで「むー」と唸っている今の状況をがっつーんとぶっ叩いてくれるのは、1つは間違いなく芸術だろうな、と思ったので合わせて書こうかなと思ったのです。

  楽しかったなー。1つの画家を掘り下げる企画展も、ある美術館や収集家のコレクションを並べたのもそれぞれ面白さがあるのだなーと思いますが、どちらも優れたキュレーションあってのものだなということを感じました。まとめ方って大事です。

 アーティゾン美術館の『開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」』はジャンルでまとめた1部とキーワードでまとめた2部で構成されているようなところがあって(確かそんな感じだった)それが空間的な階層で分かれているのも面白かった。

 そうそう、どうしてアーティゾン美術館に行こうと思ったのかというと2020年にリニューアルオープンってことはそれなりに箱も新しく、今の美術館の箱の作り方も見れるかなーと思ったからでした。アーティゾン美術館でいうと、「事前予約制」(当日飛び込みもOKだった気がする。チケットに空きがあれば)「紙チケットじゃない」「写真撮影OK」「スマホアプリ(無料)で音声ガイドがきける」とかがシステム的なところでいうとあります。特に音声ガイドについては、私感激してしまって、自分が普段使っているイヤフォンでそのままガイドを聞くことができるってめちゃ嬉しい!でもこれって、情報機器に関するリテラシーがある程度無いときついかなとも思っていて、当然のように使えてしまう人と、操作にてこずってしまう人で差ができちゃうところだろうな…という心配もあります。それに「写真撮影OK」というのも、例えば静謐な空間にスマホアプリの「カシャ」というシャッター音が入るだけで気が散る、ってのも多分あると思うので、難しいな…と思います。海外の美術館はその辺どうなっているのかな。あとで気が向いたら調べようと思います。

f:id:dorian91:20200215131159j:plain

 

 原田マハさんの『楽園のカンヴァス』でおなじみのアンリ・ルソーの絵(『夢』じゃないですよ)があって嬉しかった。ルソーの絵って幻想的で「これ欲しいな」という絵。というか絵を見てると気に入ったものは「これ欲しい~~~~~~」と思ってしまって、そりゃあ、コレクターさんも買い集めるわなー、私が石油王であれば!!!と歯噛みしてしまいます。ザオ・ウーキーさんの絵も好きだった。モネもやっぱり好きだし(印象派はやっぱり人気だ)数千年前のハヤブサの彫像は洗練されたつややかな線が綺麗だった。

 ここに画家のバックグラウンドとか時代背景とかそういうものはまだ入ってきていない。作品のみと対峙して得られた瑞々しい感情。それは今後様々なことを知るに伴って、どんどん深堀されて削られるのかもしれない原石のようなものなのかも。それはそれとして、白でも黒でも、ましてやグレーでもない鮮やかな色彩の正しさみたいなものに、ちょっと救われちゃうな、と振り返ると思ったのでした。

 

 他人との境界がぐらんぐらんなのか疲れてしまいますが、なんとか無理せずやっていきたいものです。

 

【VERIVERY】石集めがしたい/『Tag Tag Tag』の好きな歌詞を語る

溜まっていたミュージックビデオとかを流していたらですね

https://youtu.be/mmoAEvF_YAc

やっぱりTag Tag Tag大好きだなぁ…良いなぁ…と思いまして。

 

ありがたいことに何故かVERIVERYは最初からミュージックビデオに英訳日本語訳中国語訳がついていて(gugudanちゃんとかもついていますね)意味を追いながら映像を見てました。そうしたらですね、どうしても書きたいと思ってしまって、私はこの文章を書いています。

治野 on Twitter: "「積み重ねていく」とかいう思想に滅法弱いから、こういうの泣いちゃうよ本当に… "

 

本当にね、そうなんです。ここ歌詞泣きたくなるくらい好きになってしまって。

Tag Tag Tagの歌詞って、どちらに転んでもおかしくない境界線に立っている曲だなと思っていて、言葉選ばず言うとなんかストーカーっぽいというか、ちょっと狂気滲んでいるというかやばい歌詞だなと思えなくはないし、ただ相手が愛しいという純粋な喜びを歌う曲にも聞こえる。聞く人によって捉え方が違う面白い曲だなって思ってます。この捉え方の多様性は何度聞いても新鮮な発見をもたらしてくれるもので、そういうとこ好きーーーー!!!と叫びたいです(ほら『呪いの人形』大好きなので私)。

で、該当の箇所。もうこのパートがたまらなくてね…。

f:id:dorian91:20200227123532j:image

その前のホヨンとヨノのパートで「自分たちが知っている秘密 やりたいこと」「消していって バケットリスト」みたいな歌詞を踏まえてのこれなんですけどね、そうですよね、そうだよね、その通りですよね、と首がもげるほど頷く自分がいる…。なんてささやかでありふれていてかけがえのない言葉なのだろう。こんな風に「積み重ねていく」みたいな言葉が今、無性に好きでして、まあ、結局それしかできないじゃないですか、みたいな思想からなんですけど、とにかく好きでして。

f:id:dorian91:20200228080105j:image

この部分のドンホンさんめちゃめちゃ良い。下唇噛んでる感じがちょっとやんちゃっぽくて可愛い。

この曲はInstagramをはじめとするSNSの時代を前提に作られた曲ですけど、2人が共有する(2人だけが共有する)ハッシュタグを使ってこれまで積み重ねてきた思い出を一連のタイムラインでつなげてしまう試み、「そうきたか!」とハッシュタグの活用にはあかるくない私は膝を打ちました。えーん、愛しい。私は多分そういうことをしないので、余計に愛しいと思えるのかもしれません。何故そういうことをしないのかというと、どうしても冷ややかに自分の行為を見つめてしまう自分がいるからなのだと思います。そういうのつまらないよ!マジで!だから、こういう率直で衒いがない表現に心打たれてしまいます。ああ、愛おしい。

分かりませんが、#Betterというのは音の響きにファンの総称「VERRER」を彷彿とさせますし、これからもこんな風にアイドルとファンで思い出作りましょーね、と捉えることもできて「うまいわぁ…」と思わざるを得ません。

最近はもっぱら「音」と「声」と「ダンス」を楽しんでますが「言葉」に改めて着目したいなぁと思った次第です。「あ!この表現!」とビリビリ電流が走る言葉たちを集めるのは、河原で綺麗な石を探すことと同じです。「石集め」していきたいです。