根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【ゲーム】ファイナルファンタジーⅫが好きだという話

 ファイナルファンタジーⅫが好きだ、という話。

 

 気が滅入る日々が続いておりますが、どうにか生きねばなりません。神経を研ぎ澄ませ今を注視していく必要があります。そんな中でも自分のモチベーションは自分であげていかないとね!ということで、ファイナルファンタジーⅫに手を出しました。

 ファイナルファンタジーⅫは2006年3月の発売ですから今からかれこれ14年前のゲームになりますが、ニューゲームのボタンをぽちっと押してチュートリアルを消化し、ふっと一息。私は確信しました「今でもめちゃめちゃ面白い」ファイナルファンタジーなんて7はやってないし、3, 9(やったかな、怪しい)10, 12, 13シリーズを遊んだだけのにわかかもしれないけど、12が面白いだろ、10も13も好きだけど!!!ということで私はこの文章をしたためています。実はブログにあげるつもりで書いていたけれど、まさかの全消去してしまったので書き直しです。もう書き始めから全然違う文章になってしまいました。誰かに説明するための文じゃないので、あらすじとかは全カットです。

 

 ニューゲームを選択して、今は顔がトマトの賞金首モンスター(モブといいます)であるはぐれトマトを倒して王都ラバナスタの東門のセーブクリスタルでセーブしたところです。一気に終わらせてもいいけれどね、今回は少しずつ少しずつ、飴を味わうように楽しむ予定です。ここまでで約1時間。まだまだバルフレアとも出会ってないので物語は始まってすらいないですが、このゲームの世界や主人公であるヴァンの現在地がわかってきたところで、やっぱり言いたい、このゲーム好きだ。

 何が好きって、やっぱり世界観でして。イヴァリースという架空の世界を舞台に、誰が世界の覇権を握るのか、大国間のにらみ合いに巻き込まれるダルマスカという小国。その王女・アーシェの悲願をかなえるストーリーという縦糸と、空賊を夢見る孤児・ヴァンやそのガールフレンドのパンネロ、世界を股にかける空賊・バルフレアとその相棒フラン、売国奴として不名誉な称号を与えられてしまった将軍バッシュそれぞれの自由の物語が横糸として、とにかく壮大な物語が織られている作品!!!(熱い)

 主人公はヴァンじゃなくてバルフレア

 うっさいわ!!!

 なんだろうな、ストーリーもいいんです。はぐれトマト討伐時のストーリーとしては、

  •  ダルマスカという国は、東にアルケイディア、西にロザリアという大国の丁度緩衝地帯に位置する場所にあり、大国はそれぞれが世界の覇権を握ろうとにらみ合いをしている状況
  • そんな中ダルマスカの隣国がアルケイディアによって陥落。ダルマスカも抵抗を試みるが降伏することに(和平を結ぶ)。
  • 降伏の調印式で何故かダルマスカ王が暗殺される。降伏が失敗、和平案も没。泥沼化。
  • 結局あまたの犠牲を払ってダルマスカはアルケイディアに無条件降伏。
  • 王都ラバナスタも帝国の統制下におかれ、今日はその執政官が王都にやってくる日。。。

 というわけです。えーん。面白い。

 私が生きる現実で考えてみると、かつてこの世界にも大戦があったわけでして。今どうにか存在している国境も、それを画定する為にどれだけの犠牲が払われたことか。そしてこれからだって変わりうるものなんだってこと。そういうことを考えながらゲームすると、もう、面白いわけです。

 このゲームはモンスターを倒していくと溜まっていくライセンスポイントを、各魔法や装備品、技に振り分けることでそれらを使えるようになったり装備できるようになるのですが、最初、まだ全然モンスターを倒していなくて革の帽子とかしか装備できない、なんなら回復魔法であるケアルは使えないヴァン君が、唯一使えるわざ「盗む」なの、しんどい。孤児であることがしんどいとかじゃなくて、そういう設定、細かいなって。

 そんなヴァン君、夢があって、それは自分の飛空艇(空を飛ぶ船ですね)を持って空賊になること。街の頭上見上げると、青い空と飛空艇、それらを目を細めながら眺めるヴァン。ええん。好き。「夢」とか、そんなのもう今の私にはないです。昔からなかったけど。夢。私も夢が欲しい。そういう青さみたいなものがこのゲームにはあって、なんか久々にゲームしながら「いいないいな」と思いました。

 ファイナルファンタジーⅫは、大国間の覇権争いから人間と神々の争いというか、世界の仕組みを揺るがすような大きな話につながっていくのですが、それでも土台にあるのは「政略」ってのが面白いです。クリスタルの御導きにより、世界に忍び寄る影を成敗する!というのではなく、かなり現実的な物語です。そしてそこに、魔法やらモンスターやら入り込んでいるのが最高。

 また、地政学的な話は出てこないですが、この広大なイヴァリースという世界、様々な街や村、里やダンジョンが点在していて自由に往来できる仕組み。その地形、気候はどういうものなのか、妄想膨らませるのもめちゃめちゃ楽しいです。ダルマスカとかは小国だし王都を囲んでいるのはダルマスカ砂漠とかいう広大な砂漠だし、主要産業はなんなのだろうな。空に浮かんでいる空中都市ビュエルバは魔石の鉱山があって豊かで、そのせいもあるのか治めている伯爵候の手腕なのか、政治的にはかなり中立を保っているとかそういう設定を読むのもいいです(ゲームの中に魔物やら街やらダンジョンやら、設定がきちんと記されているレポートのようなものがあって、活字中毒歓喜の粋な計らい)。

 

 話はまったく変わりますが、私の好きな話*1に登場するチハラトーコという人がいて。その人は人形のような美貌を持つ一方で、根っからのオタクで。好きなゲームやアニメがどこからやってきたのか、調べるのが好きだ、と言っていて。別に深く調べはしないけれど、確かに現実を下敷きに描かれる物語もあって、それならばゲームやアニメから現実世界を見つめるのも全然ありじゃないか、と。自分の好きなものを通して、その好きなものを取り巻く世界に関心を持つことは全然悪いことじゃないな、とむしろこれからは意識的になることで、もっと面白くなるのではないか、なんてことを考えました。人生は何か明確な目的があって進められるゲームではないのだから。

 ゲームだから悪い、なんてそんなことない。ファイナルファンタジーⅫをまた遊びながら、私はあの頃想像してなかった未来にいることや、あの頃持ってたものを失っていることに気づかされます。過去を振り払って行こうと思えば世界の果てまで行けること。何より世界はとんでもなく多様で多彩で広いのかもしれない、ということを私はこのゲームから教えてもらったのでした(このゲームではいわゆるヒト型は「ヒュム」と呼ばれ「モーグリ」や「ヴィエラ」「バンガ」といった様々な種族がいるんです)。

 コロナウイルスが広がっているということで家に籠ることで思わぬ発見というか、楽しみができました。それでもコロナは許さんがね。久々に、昔のゲームを引っ張り出すってのもいいです。

 

ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ - PS4
 

*1:辻村深月『光待つ場所へ』(「チハラトーコの物語」より)ちなみに関連して『スロウハイツの神様』では何かを好きであること、それに救われてきたことがある人には刺さる話だと思うのでおすすめ。このブログでもそういえば以前取り上げましたね。よほど好きなんだな私。