根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【雑記】dietにまつわるエトセトラ

green dietという言葉を知ったのはXGのSHOOTING STARからだ。一般的な言葉ではない、スラング的な言葉だと思っているのだけど、察するに、グリーンを取り入れた(つまり野菜とか?)食事をしているのよ、と言うニュアンスか。dietの本来の意味的に、必ずしも野菜を中心とした減量生活、と考えなくてもいいきがする。

SHOOTING STARを初めて聴いたとき、まず引っかかったのがgreen dietで、なるほど、ダイエットというのはより健康的な(つまり自分の身体を過度に追い込むことがない)ものと、短期的に効果が見込まれる「激しい」ものがあるよな、と思って、以来「なるべく穏やかに減量する」という視点を得ることになった。

もう一つ視点の話をしよう。いつだったか、結構前になるけども、メイクアップの動画をたくさん出してるマリリンさんの動画の中で「自分のコンディションがいい体重というのがある」というような話をしていて、なるほど、と思った記憶がある。適正体重というと数値で決まってしまうものだけど、あくまでそれは身長を元に決まってくるもので、体格も異なれば食べる量も生活スタイルも異なる人間同士の「ちょうど良い体重」が同じであるわけはない。「ちょうど良い体重」がある、他人と比べられるものではないということをそのとき理解した気がする。

ここで書きたいのは、しばしば外から新しい視点を得るということだ。今回はSHOOTING STARという音楽だったりしたけども、読書から得ることもあるし美術展も漫画もアニメもドラマも映画も、ゲームも、本当に様々な場所から新たな視点を得る。視点は価値観と言い換えることもできる。

健康といえば、私が好きなロックバンドASIAN KUNG-FU NEGERATIONのボーカル・ギターのGotchさんのポッドキャストAPPLE VINEGAR - Music + Talkのこと)を聴いていると、「ヘルシー」という言葉をときどき聞く。Gotchさんの関心ごと(そして大切にしたいこと)と推察するが、「ヘルシー」という言葉も、私に新たにインプットされた視点だろう。もちろん、アンチヘルシー、のような気持ちもあって、健康を強く意識するがあまり、本来先行して存在している「生きる」ということが転倒することになっては元も子もないなとか、そういうことを考えているがそれはそれとして。

さて、こういうことを考えていたのは、ME:Iの新譜とそのパフォーマンスを聴いて観て思うところがあったからだ。とりあえず言いたい、Sugar Bomb最高。音楽のジャンルは忘れたけど、ボンボン跳ねるベースの音や浮遊感あるメロディが気持ち良すぎる。ボーカルもふわっとした場所もあれば、違うところではザクっとこちらを刺すような鋭さをはらんでいたりと、初めから終わりまで楽しい。

私は、ME:Iが生まれるきっかけになったProduce 101 Japanを観ていないのでメンバーのパーソリティはそこまで知らないのだが、&MEという曲のパフォーマンスが好きで、

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特に桃奈ちゃんのスタイリングがいい、めっちゃかっこいい、気骨あるイメージ(それは私の勝手な印象なんですけど)とスタイリングがめっちゃ合ってていいじゃん、と思っていた。堂々とした佇まいと&MEの勇ましいイントロも合うよね。

番組当時からデビューした人たちの最新の様子を見るに、当時よりだいぶ痩せてしまったなあと思う人が何人かいて、それに対して心配するファンの声も多少はあるようだ。私も心配だし、何より「痩せればいい」「痩せているのがかわいい、綺麗」という考え方には反発したいので、「おい運営どうなってんじゃごらぁ、ちゃんとしたスケジュールでやってんのか、過度な食事制限させてないか、追い込んでないかあ??????」と言いたいわけだ。

さて、その時のアンサーとして「いやいや、本人たちの意思に任せていますので」というものがあるかもしれないが、個々人の内面に規範されている「痩せればよかろう」「痩せていればかわいい」思考に対して文句があるのだ。本人たちに何も非はない。

何を美しいとするかは難しい問題だ。美とされる容姿は時代によって文化によって異なるものだ。だから、「痩せててかわいい」その等式が成り立たないことは往々にしてあって、その上で私が考えているのは、あなたにそれを要請させるものは何なのか、ということだった。

ちなみに私が少し体重を落とそうと思ったのは単純で、服が着られなくなるからだ。あとは座って作業するときに贅肉が邪魔でうざいと思ったから。それに加えて、もう少し長期的な観点で考えれば、自分の生き方的になるべく疾病リスクは減らしたい、いつまでも自分の足で歩きたい、その為の体を作る習慣作りとして現時点で運動する癖を取り入れたいな、と思ったから。この動機からわかる通り、他人からの評価が動機に占める割合はかなり低い(ないとは言ってないが)。

それでも、私の外にあるものが私に痩せろと突きつけるものはある。例えば、健康で過ごすことが美徳という考え。いきいきとした生活というのはポジティブに捉えられるが、それもそれで一つの考え方に過ぎない。絶対の正しさではない。あとは洋服だって、どんな体型であっても心地よく着られる服があればいいだけ(そして多分見つからないだけで存在する)で、でもそうやって色々なものと衝突し考えた結果、私は少しずつ体重を落とす方向に舵を切ろうか、となった。

多くの人が減量したいなと思うとき、そこには何があるのかを考えることで見えてくるものはあると思う。あなたにそれを要請させるものは何なのだろう。痩せてないとかわいいと言ってもらえない、痩せているとかわいいって言ってくれる、そういう声なのだろうか。その声が意味するものについて、一考する余地はないだろうか。

また減量のジェンダーについても考えなければならない。過度な減量をすることが多いのは女性なのか、だとしたら何故なのか。男性の過度な減量もまた注意しなければならないのではないか。男性の場合は、減量とマッチョイズムが繋がりやすいか。減量してマッチョになることで、ストイックというイメージだったり勇ましいというイメージを呼び起こせる?

結局は人間、自分のやりたいこと(それが他人から要請されたものでそこに気づけなくても)をやるものだ。痩せようが、そうでなかろうが、何も責められる謂れはない。やりたいようにやってみればいい。

私のこの文章も、結局ひとつのノイズにしかなれないのかもしれない。でも、番組当時の時点でそこに出演している人たちは十分魅力的で、そのまま魅力を伸ばすこともできるはずだと私は思う。画一的にウエストを細くするより、それぞれの身体の個性が出たスタイルの方が見てて元気になるし、見てる側も参考になるからありがたい。痩せるなとは言わない。が、自分が自分らしく輝けるための手段は色々あるということを、伝えたいというよりは置いておきたかった、という文章。