根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【SnowMan】Super Sexyに見る「パートに引き寄せられる」ということ

 突然で恐縮ですが、あなたには「どうしても口に出せない言葉」というものはあるでしょうか。そうですね、ハリー・ポッターシリーズにしばしば登場する「名前を言ってはいけないあの人」(=ウォルデモート卿)を思い浮かべていただければいいでしょう。

 個人的に私は「名前は言ってはいけないあの人」という言葉をとても興味深い表現だなと思っています。何を言葉にし、何を言葉にしないのか。用いる言葉によって個人の価値観や置かれた環境、文化的な背景を読み取ることはできそうですし、逆に言葉によって私たちは規定されているとも言える気がします。「名前を言ってはいけないあの人」と表現してしまったことが、少なからず闇の魔法使いたちとの付き合い方を決めてしまったようなところはあると思うのですよね…。まあ、それはさておき。

 さて、私にも使いづらい言葉があります。例えば「Sexy」という言葉。その理由を言語化できている部分がある一方で、まだまだわからないところもあり、どのみち説明する気はないのですがSexyという言葉に出くわすと立ち止まり考え込んでしまうことがあります。これは一体どういうことなのだろう、と。

 別に意味がわからなくても混乱していても接することはできますからね、音楽を日夜聴いています。そしてまた出会ってしまいました。Sexyに。

 

SnowMan『Super Sexy』

 

 好きなのだが。

 後ろの音が爆音で鳴る曲も疾走感あふれる曲も嫌いではありませんが、ゆったりと余白がある曲が私は好きなのです…。スノマニアはこれからも聴いていきたいアルバムで(まだ聴きこみが足りない)「お!」と思う曲がきっと見つかると思いますが、今はSuper Sexyを推したい。この曲から逃げることなどできません。

 特にですね、大声で言いたいのは、阿部ちゃんの「Like a butterfly, like a crystal, it's beyond imagination」が良すぎるということから。0:18から先に進まない。どうしてくれる!

 音楽のジャンルのことはよくわからなくてもどかしい。なんだろうかこのジャンル。岩本さんのラップ、そして阿部ちゃんパートで「この曲は、こういうテンションで、行きます!」という方向性が決定づけられるといっても過言ではなく、その後に続く宮舘さん向井さん深澤さんのパートで曲の世界が広く深くなっていく。その入り口を作る上で阿部ちゃんパートはめちゃめちゃいい働きをしている、と思う!というか、私がこのパートのことをとても好きになってしまったのでワアワア言っているのだが。阿部ちゃんさんの低くちょっとハスキーで、語尾が甘やかであるようでひりりと冷たさも感じられなくもない、そんな「グレーな感じ」が好きって言ったら伝わりますか。このパート、阿部ちゃんで良かった。いや、阿部ちゃんじゃなかったらここまで好きになってなかったかもしれないというくらい、ぴったりのパートだと思う。阿部ちゃんの為のパートだ。

 

パートに引き寄せられるということ

 私はSnowManというグループのことを言うて知らないに等しく、長年彼らを応援してきた方のことも知らなければ、彼らの軌跡もすべてを知っているわけではない。

 またSnowManというグループに問わず、パート割というのは最善であるべきだと思っていて、パート量の多寡を嘆くよりは各メンバーそれぞれのパートをじっくりと味わいたいと思っている人間だ。

 なので、SnowManのパート割事情というのも、ちらほら聞いたり聞かなかったりするものの、それが楽曲制作における最善だったのだと思っている。それ以外の要素については考えない。知ったことではない。

 なので、阿部ちゃんさんがLike a butterfly~♪パートを歌ってくれたことに喜んでいる。ただ、喜んでいる。パートは自分で選ぶものかもしれないけれど(どのようにパート割を決めているか私は知らないので)おそらくアーティストが選ぶ以上に、パートがその人を選ぶのではないかしら(パート、阿部ちゃんを選んでくれてありがとう)。

 阿部ちゃんだけでなく、8人のパートもそれぞれ見ていこう。彼らがパートに引き寄せられたメロディーやリリックを堪能しよう。

 

表現すること

 およ!と驚いたのは、渡辺さんや佐久間さん、ラウール君のボーカルだろう。この三人だけではなく、SnowManの9人はそれぞれ個性的な声、そして歌い方をするアーティストであるが、特に先に挙げた三人はかなり目立つ。はっきりとしている。それがこの曲においては、驚くほど違和感を感じない。曲に馴染んでいる。ぐっと歌い上げる渡辺さんの伸びやかさは控えめだけれどしっかりと、そして柔らかく歌っている。佐久間さんの声は雲の切れ間から差し込む日差しのように強い力を持っていると思う。この曲においてはどうだろう、どこにいる佐久間!となるくらい溶け込んでしまっている。こんな歌い方をする人なのか。多面的な人だな。そしてラウール君は語尾がぼやけていく感じが曲にめちゃ合っている!あと個人的に好きなカメレオン目黒さんはやっぱりスルっと曲に染まっている。私は目黒さんの声が今もよくわからない(そこが好きなんですけど)。岩本さんはラップの低音で「うぐっ」となるのだけど(岩本さんのラップが好きな人 is 私)中音域になるとまた印象が変わるのですよね。無印に近くなる。むむむ。深澤さんは声と歌い方の輪郭がはっきりしていてそれもまた得難い。輪郭があって、そこから始める陰影のつけ方。向井さんも声質がはっきりしているのだけど、歌い方が儚くて儚くて、胡蝶の夢でしょうか。ええ、ええ。そして宮舘さんの声は好きなんですよねー。グッとくるよね…(溜息)。一番のパートで、そう、グッときたけれど、二番のパートでガラスを壊れないように繊細に扱う、そういう細やかさを感じました。

 

 こんな風に、おそらく丁寧に聴けばそれなりの剛速球を返球してくれるSnowManさんの皆さん。どうしても楽曲の好き嫌いがありますけれど、しっかりと声に耳澄ませたいなと思った次第です。

 

 それにしても、SnowMan、器用というか、多種多様なコンセプトを綺麗に消化してしまうこと、恐ろしいです(Delicious!を聴きながら)。先輩ジャニーズグループの皆さまの顔を思い浮かべながら、SnowManらしさとは何なのか。楽曲における彼らの特徴は何なのか。考えているところです。まだうまく言葉にはできておりません。

 いずれにせよ、パートに引き寄せられた結果の集合体である楽曲を楽しんでいきたい所存です。いやー、阿部ちゃんのパートは私にとってホームランでした。最高にゾクゾクしました。

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