NCT U『Light Bulb』
情景がパッと浮かぶし、ポイントが絞られていて、こういう曲が私は好きなのだろうなと思います。
— 治野 (@harunote2016110) 2020年12月6日
ぴったりと閉ざされた玄関。玄関に背凭れ座る誰かの頭上には、今にも切れかかりそうな電球がひとつ。チカチカと明滅しているリズムに合わせて、その人はかつて好きだった人との思い出を一つ二つ開いては閉じていく。閉じられた玄関のドアは拒絶の意思表示で、明滅する光は誰かのあらゆる感情のONとOFFと対応している。
ひょえーーーーーーーーーーーー。
好き。
テヨンのラップが好きなラップか、わからないけれど、この曲に合っていることは間違いない。情が滲んでこないとね、この曲は。低をテヨンが高をソンチャンさんが担当しているみたい。ソンチャンさんまだまだ知らないメンバーだけど楽しみですね。現時点の印象は「お洒落」です。どういうところが「お洒落」かはわからないけれど。NCTの中ではまた異なるラップ担当さんですよね。
そしてボーカルのドヨンとクンさん。たまらーーーーーーん。聴かせる系、繊細な楽曲はドヨンさんの領域だなと思います。そこに一本芯が通ったクンさんのボーカルが存在している感じ。ドヨンが針に糸を通す様な細くて綺麗に歌う一方で、クンさんがそこにいるってのが何より大事だと思う曲。クンさんの声真っすぐで聴きやすい声で、そこにドヨンの感性ボーカルが絡んでくる。たまらーーーーーーん(2回目)。
これまでの軌跡
なんとこの曲はルキズ時代に既に披露されていた曲らしく、満を持しての登場。こんな良い曲をそのままにしていたなんて…SMエンタよ…本当に、恐ろしい。でも、今出すのがひとつのタイミングであることもよくわかります。NCTオールスター感謝祭らしい。NCTはこの2020年で自分らの軌跡を振り返っているという意味でも(先日のMAMAでもそれらしい演出?過去の映像を合わせて流したとか)ぴったりだな。
そう、この「振り返る」ってアイドルとしてなかなかできないことだと思いました。そこそこのキャリアを積んだアーティストがやるには意味も重みもあるのだけれど、デビュー10年経っていないアーティスはあんまりやらないのかなと思った時に、何故NCTはそれができるのか。それはやっぱりNCTというグループの特徴に帰結するのだろうなと。つまり、NCTという枠組みの中で様々なグループが存在し、拡大拡張し常に新しくなっていくこと。その中でキャリアも経歴も様々なメンバーが関わり合ったり離れたりの化学反応の多さ。メンバーの数だけ、メンバーの交点だけ歴史があるということ。この歴史の厚さが他の同年代デビュー組の追随を許さないところ。さらにはデビュー前のルーキーズ時代という時代も加わり、こういう演出ができてしまうわけです。恐ろしい。アイドルというのはデビュー以前は秘されるものなのに、そこに風穴あけたところが、ここにきて効いてるというね…憎らしいなSM。
共感を基準にしない
共感できるかできないかを一つの基準として生きていた時代もあったけれど、共感を基準にすると自分の世界は恐ろしく狭くなるように思えて。自分が何に心惹かれるか、そこにはどんな要素があるのか観察するのが昔から面白かった。それがこのブログのスタート地点のひとつでもあった。共通点はあるのだろうか?私はどんなものが好きなのだろうか。逆に惹かれないものはなんなのだろうか。そこには何があるのだろうか。
聴きながらパッと情景が浮かぶ曲が好き。そこに共感はない。ないけれど、好きだと思う。「この曲好きなんだよね~よくわかんないけど」を大切に、これから先も音楽を聴けたらいいなと思います。「私この気持ちわかる、めっちゃわかる」という感覚も大事ですし、それで生き延びてこれたけれど、今の私なら大丈夫だから、きっと。