根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【雑記】私の読書感想文の書き方

 最初に書いていくと、これは例えば学校の宿題にもある「読書感想文」をいかに書くか、という文章ではないです。なので夏休み最終日、原稿用紙は白紙、血眼になってインターネットで検索した結果この記事に辿り着いた人の期待にはそえないかもしれないです。というか、学校教育から既に抜け出した立場としては、読書感想文って、本読んで気になるところをメモっておいて、どうしてそう思ったんだろうとか考えてそれを書けば良くない?食べ物が美味しそうでした、どうしてそう思うかというとそもそも私は食べ物に関心があるからです。また食と言うのは人々の生活を色濃く描き出すモチーフでもあると思います。云々。・・・。適当に書きました。こんな風に「かんたんじゃーーーーん」と思えるのは、多分私が読書感想文を書くことに比較的苦しまないタイプだからで、夏休み最終日に読書感想文が真っ白な人は、読書感想文を書くのが苦手な人のやり方を参考にした方がいいのかもしれません、アドバイスでした。ま、私は読書感想文が書けるタイプでしたが、計画的に宿題をこなせない人間だったので夏休み最終日に宿題を一気に片付けてました。思い出したくない思い出です。

 

 では、この文章は何故書かれるのかというと、私が日常を生きる上であらゆるコンテンツを楽しむうえで意識している(したい)ことを書いておくかーーーーと思ったからです。言語化するってことですね。別に誰かの役に立つとは思っていない、自分の為の作業です。

 

 『ワールドトリガー』を読み始めました。面白い面白い言われているなぁ…とは思っていて、なんだか暇だったので(他にやらねばならないことはたくさんあるんですけど!それらをやりたくない!)読んでみるか…という感じです。

 週刊少年ジャンプに連載されていた頃から知っている、それこそ第一話も本誌で読んでいたのではないかという『ワールドトリガー』ですが、見事に話の筋は忘れているので「初めまして」に近い出会い。ウィキペディアも今度ばかりは読まないぞ!!!と固く決意し、第一巻を読みました。

面白い…

 めっちゃ面白い…。めっちゃというか、なんというか、まだまだ謎めいていてどうなるかわからない。あとボケの挟み方が結構好き、、、読んでいて「クスッ」って笑っちゃう一コマが登場する、そのテンポが好きかもしれない。あとマニア向けの細かい設定を読んでいると楽しい。ワートリ、奥が深そう。これが世の中で言われている「面白い」なのか…。昔読んだ印象とは違う感覚があって、その頃とはだいぶ年が経っているし私も色んなことがあって価値観も多少なりとも変わって、過去の印象と今の印象が違うことが楽しい。

 ワートリのストーリーをほぼ知らないというこの白紙の状態。この白紙を少しずつ埋めていく作業。あと21巻も続くわけか(現状22巻が最新)。最高か。知らないって、強いなと思いました。(良くも、悪くも、です)

 感想文の話に戻すと、私が大切にしている(しようと思っている)のはこの「知らない」という状態です。

 

 こことは別に読書ブログというのもやっていて、読んだ本全部ではないけど感想を置いている場所があって(8月2日の書庫)。ここに書かなくても読んだ本についてはメモなりノートなりEvernoteなりにまとめるのだけれど、その際のルールが「他の人の感想を読まない」なのです。

 人の価値観って、これまで関わった出来事や人、得た情報、それらに対する考えの混合物だと思っているので、まったくもって自分オリジナルな意見ってのは無いと思っています(ただミックスの仕方や中身のバリエーションが個性)。そういう意味では他の人の感想を読んで自分はこんな風に思った、でもいいのでしょうけれど、私は他の人の感想が入る前の自分の状態で一回感想をまとめておいて、そのあとに他の人の感想を入れるようにしています。何故なら「他の人の感想を知らない」という状態に回帰することは無理だからです。思考のバックアップみたいなものです。コンピュータの領域ならバックアップしたものに戻すことも可能なんですけど、人間の脳はよほどのことがない限り無理。で私は「他の人の感想」が入る前と入った後の自分の考え方の変化を見ていくのも面白いんじゃないかなと思っています。

 あと、これは私の性格なのですが、簡単に他人の意見に左右されるので自分の考えがある程度整理できるまでは敢えて入れないようにしている、というのもあります。「他人の意見に左右されやすい」というのは良いか悪いかどちらの側面もあると思うけれど、何かの感想という領域においては私は割とネガティブに、自分の悪いところだなと思いがちなので、自己嫌悪を減らすための策というのもあります。自分の中である程度意見が固まった状態で他人の意見によって柔軟に変化していくってことと、自分の意見も持たず他人の考えをそのまま自分のものにするのは全然違うことですから。

 まとめると、自分の感想をある程度固めてから他の人の感想を調べること!!!が、私の読書感想文の書き方です。

 

 SNSで手軽に自分が感じたことを海に流すことはできますが、思わぬところでネタバレを食らったり、また誰かと何かの最初の出会いのすばらしさを損なっているのかもしれないなぁ…とワートリを読みながら考えていまして、自分が思ったことを共有できるということの難しさについて考えずにはいられません。あ、私は別にワートリのネタバレを食らってはいません。ありがたい!!!

 難しいですね。最近、宇野常寛『遅いインターネット』を読んでまして、その趣旨と一致するかは微妙ですが、SNSの速さと拒むことのできないある種の強さについて、懐疑的である方がいいのかな云々、考えています。例えば、この記事はブログなので調べたりして見つける必要がある、つまりある程度能動的である必要があるし、冒頭に前置きをすることで出会い頭にネタバレとぶつかることも避けられるかもしれない。

 Twitterにはミュートとかブロックという機能があってそれで防げることもあるけれど、あれはあくまで守りのツールであり限界もあるような気がします…。

 

 なので、自分が見ようと思っているものの事前情報はなるべく調べない、食べログ読まない、Twitter見ない、レビュー読まない!など、防御策を自分で講じて今後も何かとの素敵な出会いをなるべくプレーンな状態で味わえたらいいなと思います。マジで、読書感想文を書くなら最初は他の人の感想はあんまり読まない方がいいと思うぞ。知らない状態って、貴重だぞ。K-POPのカムバ祭りがあんなに楽しくてわくわくするのは、対峙しているのが自分にとって未知なことだからっすよ、多分ね。

 ということで、自分がSNSに感想を書くことに対しても厳しい目で見ていかねばな…って感じです。反省。ブログはSNSよりは遅いツールだと思います。