根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【邦楽】音楽とは楽しいもので出会いは突然で決して操作できないもの/向井太一『I Like It』

 出会いとは突然、というのは今まで何度も言い表されてきたことだろう。そう、出会いとは突然だ。神なるものの存在を信じているのか信じていないのかと問われたら、私は「よくわからない」と答える。旅先で寺社に立ち寄る時は意識して参拝するようにしているのだけれど、それは神様を信じてるからか?わからないな。

 最近読んだ本(國分功一郎さんの『哲学の先生と人生の話をしよう』)に「運がいい人というのは、心身で行っている計算の量が多いのかもしれない」という話が載っていた。國分さんがとある数学者の方から聞いた話をさらに簡単にして本の中で紹介していて、私はここではその内容を詳しくは語らないけれど、私が先ほど書いた「出会い」というのは多分この「計算」とつながると思う。

 よく本に「出会う」。本棚と本棚のあいだを回遊してる時に、読みたかった本を見つける。この「読みたかった」というのは、常日頃「読みたい読みたい読みたい」と意識しているわけではなく、無意識の領域にしまい込まれていて普段はタイトルすら考えない。だけど本の背表紙を見たとき、私はずっとこの本を読みたかった!ということを思い出す。この快感はすさまじく、それこそ「声を上げて 飛び上がるほどに嬉しい」(星野源『フィルム』)ものだ。声にならない嬉しさの悲鳴を上げている。思い出すならまだわかるけれど、本当に何も考えず面白そうだと手に取った本が、実は前々から読みたかった本であることに気づくことだってある(読みたい本はいつもメモしているのだが、本を探しているときに限ってそのメモを読まないしメモの存在を忘れてしまうのだ)。

 これらの事象は、多分脳内で無意識に計算されているものだと思っている。目で捉えた本のタイトルを、見えないところで脳が処理して、勝手に「読みたかった本」だとリンクさせる…というのは科学的に証明されていることなのかはわからないので、私の個人的な体験として留めておこう。

 

 では、向井太一さんの曲についてはどうだろう?

  その曲を知った日ははっきりと覚えているし、実際その曲を初めてその日に聴いたけれど、さて本当に「知った」のは4月12日だろうか?

 Apple Musicで「何となく」おすすめアーティストに出てきて指でタッチして耳に飛び込んだ音を聴いて「私はこれが好きだ」と思った。Apple Musicは私はこれまで聴いてきた音楽やその再生回数からレコメンドする曲を機械的に分析しているだろう。毎週火曜日に勝手にプレイリストを組んでくれるフェイバリット・ミックスを見てみようか?おいおい待ってくれよ。ブルーノ・マーズの『24K Magic』の次に控えるはVERIVERYの『Flower』だぞ。まさかVERIVERYがその曲をカバーした事実をAppleは知らないはずだが、こういうことが起きてしまうところまで事態は進行してしまっている。怖い。ONFの『Fly Me To the Moon』からのWE IN THE ZONEの『LOVE LOVE LOVE』という流れもあたしは好きで空恐ろしいな。(これ全部やらせではなく事実です)

 何が言いたいかっていうと、私が向井さんの曲に出会ったのは限りなく計算された結果の偶然かもしれないけれど、私は4月12日に向井さんの曲を再生するかまでは多分コントロールできないし、その日の『関ジャム』はまさにR&B特集で向井さんご自身が登場されていたという事実を偶然と呼ばなくて他に何と言えばいいのだ?(その夜ちゃんと見ました)

 多分これまでも向井さんの名前ぐらいは知っていたと思う。目に入っていたと思う。だけど私はその名前をその日まで無意識の引き出しにしまっていたのだろう。そういう情報が、宝みたいなものが、多分たくさん眠っていて、それはまるで春になって暖かな日差しを浴びるまでただひたすら眠っている地中の種子みたいなものなのだろう。日差しを一向に浴びないままもしかしたら洪水で流されてしまうかもしれないし、日差しを日差しと認識しないまま発芽しないのかもしれない。どのような刺激を刺激と認識するかコントロールできる部分はあると思うが、人が取捨選択していく情報の全てを把握し管理するのは無理そうだから、やっぱり出会いは突然だ。

 

 話が長い。

 

youtu.be

 

 ということで、特に向井さんのこの曲は最高です。皆さん聴いて。

 す、き、だ!!!

 

 音楽って楽しいもんだよなーということを再認識すると共に、もうちょっと肩の力を抜いて生活に取り込んでいこうよーと思い直す。

 「共感」だけでなく「驚異」を、ということで、最近は意味に寄り添えるかということだけでなく表現が面白かったり(私はこういう使い方を考えつかない!)音の楽しさも味わいたいなと思っていて、この『I Like It』は様々な人の勇気を支える曲になるとも思うという点でも好き。色々な人の勇気が、報われるというのもおかしな表現かもしれないけど、実になる世の中であってほしいなと思ったり。私自身、身近な人とこの曲について語れるわけではないのでもどかしいが…。

 音楽の専門的な用語ってどうもよくわからず(R&Bって???とか)徐々に広げていけたらいいな…自分の好きな音楽のジャンルを言葉にすることができるだけできっと「出会い」の確率?は増しますね。向井さんの曲は全部音が厚いのが好きだな。

 

 ということで、エンディングは小田和正さんの『ラブ・ストーリーは突然に』を聴きながら終えたいです。偶然を生み出すためには、日々吸収する情報量を多くすることと、たくさんの一歩を踏み出すことなのだろう。むむー。