妻は、物語の肝や盛り上がりのシーンよりも、登場人物が道を歩きながらどんなものを見て、夕飯にはどんなものを食べたか、来年のクリスマスには何を欲しがっているかなどを匂わせる細々としたシーンを書き抜いていた。
彩瀬まる『骨を彩る』(ページ数不明)
これ、私なのだが!?!?
そうなのです。ここ1か月くらいノートにちまちまと文章を書き写しています私です。この習慣自体は昔からちょくちょく行っていたことだけれど、やめたり復活したりしていたので今後もどうなるかはわかりません。飽き性だし…。ただ1か月くらいは続いたのだからとりあげてもよかろう!と思ってこれを書いています。
本を読むのが習慣でして、時々「あーーーーーー超好き…」という文章に出会ったりします。「好き♡」じゃなくても、何か無視できない、目が離せない、そんな文章に出会うとき、私はおもむろに鞄から付箋を取り出してその部分にぺたりの目印をつけるのです。時間がある時にゆっくりと読み返して、それでもなお魅かれる何かがあったとき、私は赤いノートを開き、万年筆(1000円くらいのやつだよ!おすすめ!)(というかこの記事約2年前のものなんですか!超ショック!時の流れが早い!)を手に取ります。あとは特に深いことは考えず、上手に漢字が書けたらいいなぁ…と思いながら、文章を書き写していきます。地味な作業ではありますが、綺麗に書きたいので結構集中します。集中していると、高確率で嫌なことが書き消えるのでストレスマネジメント(ちょっとカッコつけた言い方ですね)には良いのでは?と思っています。根拠はないですけど。書いたものを読み返すことはしないですし。私は自分の字は好きですけれど、読みやすいとは思っていないのでノートを読み返しません。でも、たまに読むと自分の好きな言葉が載っているので嬉しくなります。おすすめ!
冒頭の文章ももちろんこの赤いノートに書かれてる言葉なのですが、最初に出会った時「これ私なのだが!?」となりました。
自分が魅かれる文章を分析してみたとき、
- 着ている服装
- 自然の描写
- 食べ物
- 生活感
が好きなのだな…と思いました。例えば、
私は夕方お風呂に入るのが好きだ。まだ空気にあかるさの残っている時間。仕事のない水曜日と金曜日には、たいてい夕食の仕度までお風呂場にいる。マーヴがしょっちゅうジムにいくのと一緒。ただ、ジムとちがってお風呂は無為だ。
とか。これはある種の偏愛というのか、コレクター気質というのか。何故こんなことをしているのか、意味があるのか(意味はないと思う。強いて言えば、他人の文章のテンポを知るにはいい機会である)私もよくわかっていない。ただなんとなく好き、という理由で、今日も赤いノートをひらく。