初回に続きまして、ひゃーーーーーーーと頭の中を空っぽにしてただただこの音に浸りたい。そんな大好きな曲をご紹介するシリーズ。
最近はとても暑いですね。熱中症には気を付けて生きていきたいものです。本当に油断していると死ぬ暑さです。牛乳飲みましょ、なf(x)の「Milk」です。牛乳って熱中症対策にはなるのかしら・・・。あまり聞きませんよね。・・・。ん。ポカリスエットかアクエリアス飲みましょ。
f(x) 「Milk」
また、エネルギッシュなエレクトロハウスジャンルの曲「Red Light」と共に披露する収録曲「MILK」は、ユニークなリズムが際立つアーバンR&Bジャンルの曲で、「All Night」は大衆的なメロディと感覚的な歌詞が印象的な、早いテンポのポップダンス曲であるだけに、f(x)の多彩な魅力を楽しむことができると期待されている。
アーバンR&Bとは。
2014年リリースの3枚目のフルアルバム(フルアルバム!!!素晴らしい!!!)『Red Light』に収録されています。音楽番組で披露されていることもあり、準活動曲ポジション。この曲のステージを披露してくれて本当に良かった。どことなくエキゾチックといいますが、カシャカシャしているテンポがとても良いです。夏ですね。風が私の頬をすーっと撫でながら吹いていく…。流石の音作り、f(x)。
最近f(x)を聴きなおす作業をしていますが、まー、音が好きだ。とても好きだ。f(x)だけの音。チャーミングでドキドキして飽きがこない音。一筋縄ではいかない音。他にも素晴らしいアイドルグループは存在していますが、この独自性というか他が真似できない彼女たちだけの世界観が、好きです。Red Lightのビジュアル然り「やり過ぎ!!!」を50センチくらい超えている加減が絶妙だなと思います。これは私の個人的感想ですが。
ということで、さっさと廃人ポイントを紹介しましょう
廃人ポイント①リズムと気怠さ
先ほども言った通り、かしゃかしゃとした一定のテンポで進む曲。人を廃人にする曲は往々にしてリズムが冴えているのか…。こちらもバキバキに冴えわたっております。縦ノリせざるを得ない曲です。
この曲のすごさは、この独特の音運びがもたらしているのか、最後まで気怠い感じを残したまま曲が終わるところです。テンションが上がり切らない。「あーーーーー暑いいいいいいいーだりいいいいいいいいい」という気持ち(個人的感想)のまま終わります。この上がり切らず、かといってテンポが悪くなることなく、しんみりとした気持ちになることもなく、一定のテンポと一定の感情が続くこの曲。この「起伏の無さ」がすごい。
夏といえば、ハイテンション、スプラッシュ☆Summer!!!みたいなスカッとする曲が多く生まれる開放的な季節ですが、一転、夜になると昼間のハイテンションとはうって変わって物寂しい気持ちになり夜空を見上げたり今にも落ちそうな線香花火を人生となぞらえてみたり、うううう(泣)みたいな感情の緩急がすさまじい季節でもあります。好きだそういうところ。
が今私が注目しているのは、夏の日常の曲なんですね。普通の曲が聴きたい。しかし私の音楽レパートリーが少なすぎる。知っていて思いつく夏の曲は「みんなイエーイめっちゃホリデー」か「鎮魂」の曲。ひとえに私の音楽的嗜好が反映された結果ともいえる。
そういう意味で、f(x)のMilkって上がり切ることなく落ちることもない、絶妙な温度なのが本当に良いですね。
廃人ポイント②無限ループ
①に関連して、この曲、正直無限ループが可能な曲です。この「無限」「繰り返し」というのは後にリリースする4wallsにも飛び火するであろう視点ですけれど、本当にこの曲の中毒性たるところがこの無限性。
サビまで→サビ→Cメロ(ルナちゃんのたっぷりとして憂いを帯びた声が奏でる「愛の傷がだんだんと痛くなって」云々という意味のパート以降)→サビまで→サビ→Cメロ→以下略
今もこの文章を書きながら私はMilkという曲をひたすらリピート再生で聴いておりますが、正直最初の不穏な鳴き声やらガラスのガシャンと割れる音が無ければ繰り返しに気が付かないかもしれません。あ、頭がおかしくなる…。まさに素敵な廃人ソング。
まめぶっちょ~まみぶっちょ~ まままみるくでいん~ まままみるくでいん~。
廃人ポイント③豊かな物語世界
私は最初この曲って暴力が支配する世界の曲だと思っていました。
この曲の最初、私は「不穏な雰囲気」でこの曲は始まります。
猫、犬、赤ん坊、泣き声、そしてガラスの割れる音。約7秒ほど織り込まれているこの音たちを私はどう考えればよいのか。
これ、もしやするとDVを匂わせているのか?と思ったりもして。
まあ、その線で考えることはできると思いますが、私はこの7秒は「人間の感情の爆発」と捉えることにしました。要は、今まで耐えに耐えに耐えまくった緊張の糸が切れてしまった比喩。離れるのか離れないのか、二人の微妙な雰囲気。せき止めていた感情が堰をきって溢れだしもう元には戻らないことの象徴。
熱を冷ますため飲んだ牛乳はもう一度自分を取り戻すこと。人は生まれたての頃は乳を飲む生き物だから。
この曲、歌詞を読ませてもらうとすごく面白くて、いくらでも情景を頭の中で描けるすごい曲です。
まず冷蔵庫は白で丸みを帯びててつるつる。女性の肩ぐらいの背丈。大体130~140cmだと面白いな。朝起きがけで、まだ髪がぼさぼさ、半分寝た状態の女が冷蔵庫のドアをバッと開けると冷気がふわっと足をなぞる。夏だから室内の温度は生ぬるくて、この温度差もたまらない。牛乳は紙パックよりも瓶がいいなぁ。そして牛乳を飲み干して、瓶口から底を見るわけです「ガラスのビンを目に当てて世界を見つめる」。牛乳を飲みきったら、女の生活はまた新しく始まります。
そういう曲なのかなーと思って聴いています。すごく難しい。いくらでも考えられる曲だと思います。
Milkはミュージックビデオが無いです。無いからこそ、音と衣装と歌詞と季節で妄想できる曲です。ああ、素敵。Milkという曲の廃人ソングたる所以は、その中毒性と豊かで満ち満ちた物語世界だと思います。没入できる廃人ソングですね。