根津と時々、晴天なり

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【音楽】ファイナルファンタジーⅩ オリジナル・サウンドトラック 感想

 何? という感じのタイトルかもしれないが、仕方ない、FF10のサントラCDを持っていてそれをポータブルCDプレイヤーで聴けてしまったのだから。聴いてしまったからには書かねばなるまい。好きな曲のことについて書きます。

※ストーリーのネタバレはしませんが、どの場所で流れて~~~という話はするので、「え、ここ行くの?」みたいなネタバレを浴びたくない人は読まないでください。

 

ザナルカンドにて

 ファイナルファンタジーシリーズにおいて、屈指の名曲とされているFF10を代表する楽曲。好きとか嫌いを超越したメロディなので、改めて「ザナルカンドにて、好きです」と言うことはないけども、0:49付近で落ちるところが狂おしいほど好き。なお、普段はあまり聴かない。

 

ビサイド

 この曲を初めて聴いたとき、率直に「このゲームすごい」と思った記憶があります。サントラの中でも上位に入る好き曲です。ここに至るまでプレイヤーというのは「一体何が何だか…」という怒涛の展開に混乱するばかりで、そこでやっとたどり着いた行き着ける土地、ビサイド島。開放的だけど穏やかなメロディは、そうだな、明るい林の中を歩きながら聴くのに合うのではなかろうか。

 

スピラの情景

 「素敵だね」のアレンジ曲です。ウクレレか、ギターか、弦の「ぎいい」という音がたまりません。最高のchillソングであり、これ聴きながら優雅に日曜の朝を過ごしたい。

 

幻想

 どこで流れてたか思い出せないけどサントラを聴き込んで好きになった曲です。好き。

 

召喚

 セーブデータ選択画面で流れる曲。短いけれどとても好き。かなり好き。何故「召喚」という名前なのか、なるほどそういうことかね、と気づいた(というか気づかされた)のは実は最近です。

 

萌動

 「ザナルカンドにて」のアレンジ楽曲。キーリカ島の森を駆け抜けるときのBGMだったと思うけど合っているだろうか。FF10のBGMで一番好きです。むせかえるような草木の匂いと、それらの強い生命力を感じます。にしても、アレンジ次第であれほど繊細な「ザナルカンドにて」がこの力強さを帯びるとは、ユウナというキャラクターに結構通じるものがあると思います。

 

ルカ

 YOKOHAMA(概念)で聴きたい。でも横浜はルカほど機械機械していない街なので、いわゆる海辺のガチャガチャした街というと、具体的な土地だとどこになるのだろう。DAIBA(概念)とも違うし。神戸とかそういう街なのでしょうか。行ったことないので行きたい神戸。近代的かつ機械的海の街、ゆるく募集。

 

The Splendid performance

 聴きやすい良曲。この力加減が魅力的。芯はあるけど重すぎない。健康。ブリッツ試合がらみで流れていただろうか。「splendid」という単語は知らなかったので調べました。ニュアンスを掴むまでが難しいね、英語。

 

ミヘン街道

 びょんびょーんなメロディが唯一無二な楽曲です。笑えてしまうくらい長閑。

 

旅行公司

 豊かな気持ちになれる曲です。このメロディが流れるオフィスで働いたら充足感がすごそうだけど、あまりに「出来すぎてて」びびるかもしれない。スピラの情景は休みの日にかける曲。旅行公司は、どちらかというと公共空間に流れる曲。それは旅行公司がそういう役割を持つ場所だからでしょうか。

 

シーモアのテーマ

 シーモアは結構嫌われている?気がしますけど、シーモアのテーマ、結構好きです。ミステリアスかつ不穏なメロディが、FF10の過酷な旅の重さとはまた違ったアクセントをつけてくれる。

 

灼熱の砂漠

 好きというのとは違うかもしれないけれど、聴いたときに明らかに異質なのがこの「灼熱の砂漠」と「雷平原」。雷平原は雷平原といいつつ、雨だれの音みたいで雷っぽくないところが面白く、灼熱の砂漠は灼熱の砂漠だなあ、と思うところの違い。

 

襲撃

 はーい、名曲でーす。そもそもこの曲が流れるシーンが名シーンという話もあります。でも、シーンとか抜きに良い曲です。序盤の溜めからぐわっと盛り上がるところが素晴らしいです。あと「襲撃」といいつつ、そこには襲撃する側の必死さのようなものが音として表現されているのも好きなところです。運命に対する真摯さ、力強さ。普通「襲撃」というと、襲撃される側の悲劇ではと思うのですがさて、この曲で表現されているのは何なのでしょう。

 

極北の民

 ガガゼト山のフィールドBGM。峻厳な雪山にふさわしい、勇ましく孤独なメロディがとても好きです。途中でメロディが拓けるところのは、ガガゼト山の厳しい道中に出会う氷の世界の美しさとか、己の生に対するある種の悟り、凪をイメージさせます。ガガゼト山手前のナギ平原とセットになっている「ユウナの決意」の柔らかさとは対照的です。ゲーム場も正念場。好きな音楽です。

 

彷徨の炎

 サントラ的には「彷徨の炎」→「いつか終わる夢」なんですけど、この組み合わせが!本当にすごくて!!!(テンションどした)この流れがいっちゃん好きなんだわ。やっとたどり着いたザナルカンドをガガゼト山の高いところから見下ろすカットで流れたはず。旅の終わりを暗示させる寂しく美しい、夕暮れが似合う曲です。同じテイストで、FF13の「色のない世界」があると思います。情景は似ていて、生命の気配が感じられない世界の果てに流れる曲。

 

いつか終わる夢

 FF10というゲームを遊ぶなら、とりあえずこれを聴くところまでたどり着いてほしい。延々と狩り続けたベヒーモス。フィールド音楽が途切れることなくそのまま戦闘に移る素晴らしい演出に、感動した人も多いことでしょう。この曲の力強いビートに合わせて操作キャラクターであるティーダが走っていくのめっちゃ好きでした…。プレイヤーの心情としては「よっし!行ってやるぜ!」みたいな気持ちに必ずしもなれないところがあって、できることなら留まり続けたいけど、でも登場人物たちは違うんだ、真実を、運命をこの目で確かめるんだという気概に溢れているのだ、ということを感覚的に訴えかけ背中を押してくれる名曲です。

 

暗澹

 メインストーリーとは関係がない、バージエボン寺院かレミアム寺院のフィールド音楽だった、はず。めっちゃ好き。不思議と危険な感じはしない、それこそ寺院の音楽だなあという曲。「暗澹」というタイトルにこそぎょっとする。ガムランでしょうか、東南アジアのエスニックな気配漂う楽器の音色が癖になって仕方がない。キーリカ島までのアジアンテイストな雰囲気再来、という楽曲です。

 

シーモアバトル

 はーい、みんな大好きシーモアバトルです。ほんと好き。シーモア、何言ってんの?って感じではあるんですけど、一応本人なりに筋の通ったことをしていて、でもその筋は一般的な人間から見れば「何言ってんの?」と言わざるを得ない、そういうシーモアの狂気を、重たくなりすぎずにかっこよく表現した良い曲です。

 

決戦

 最後の戦闘曲。この切迫感と(実際は世界の終末が時間的にすぐそこまで迫っているとかそういうことではないんですけど)「え???」みたいな困惑、混乱がいい感じに詰まっていて、転がり込むように戦闘になだれ込むのが表現されている好き曲です。ピアノの音色もたまらんねえ。

 

 

 またそのうち書くと思いますが、ファイナルファンタジー13のサントラもそれはもう聴いて聴いてとても大好きな楽曲集でして、その二つを聴き比べると、FF10がその実かなりバラエティに富んだ、多様な楽曲を有しているのに対し、FF13は一本筋が通った温度というものがあると思います(音楽ド素人の意見)。FF10の楽曲は曲によってシーンがぱっと浮かびやすく、かしゃりかしゃりと曲ごとに情景が切り替わっていくところが魅力です。通しで聴くと、本当に長い旅を歩いてきたなあ(そして色々なことがあったなあ)と感慨深さを抱きます。音楽の色のイメージは、FF10が「藍」、FF13が「白」かなあ。輪郭のFF10か、流れのFF13か、聴き比べというのはいつも楽しいものです。

 FF10は(そしてFF13も)Apple Musicでは聴けますので(Spotifyはどうかはわからないですが)ゲームを遊んだことがなくても聴いていいと思います。できれば「いつか終わる夢」が流れるところまで遊んでほしいけど…。

 

萌動

萌動

  • 植松 伸夫
  • テレビゲーム
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes