根津と時々、晴天なり

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【雑談】闇堕ちの過程/崎山蒼志の燈を聴きながら

 数ヶ月前に崎山蒼志の「燈」という曲を知り「良い曲だなあ…」としみじみして、一、二か月が経った今日、「闇堕ちというのはこういう風になるのだろう」ということを考えると共に、もう一度「燈」のことを思い出していた。

 書き手の私が現在多忙な状況で、いや、多忙というよりは肉体的精神的に余裕がないというのが正しいのだが(とはいえこのようなテキストを書く力があるのでまだまだ平気そうだが)そういう日々を送る中で「まじで病んだら困るで〜面倒だ〜嫌だ〜病みたくない〜」ということを考えている。「うつ病 予防」とか調べた。それはさておき。

 燈はアニメ呪術廻戦の主題歌らしい。この作品を観て(読んで)おらず、インターネットに散らばる情報を集めた限りの知識になるけども、夏油さんという人の存在が自ずと散らつく曲らしい。夏油さん。安易な言葉で表現するならば、彼は闇堕ちした人。

 夏油さんについて考えていた。

 彼が変わっていく過程を読んだわけでもない(一応きっかけとなる出来事たちは聞き齧っている)。が、あながち的外れな想像でもないと思うのだ、人が闇に堕ちる時は、必ずといっていいほど強烈なプレッシャーに伴う視野狭窄と余裕のなさがあるのではないか。

 強烈なストレス。それに対処していくうちに体力が消耗し、動きが鈍麻していく。日常生活が鈍ってくる。頭が回らなくなる。動揺する。余裕がなくなっていく。どんどんなくなっていく。視野が狭まる。極端で明快な結論に手を伸ばす。それが自分を救ってくれるものだと信じたくなる。ついにそれを、信じてしまう。(私「(現在進行中で私やん…)」)

 疲れていると思考能力が鈍るので、その時に下した判断が「正しい」可能性は平時より低くなるだろう。そして、疲れていて楽になりたいのでとにかく何か板にしがみつきたくなるのだ。わかりやすい板に。

 夏油さんがそういう道を辿ったと言いたいわけではない。私が気になっているのは「燈」の冒頭の歌詞「僕の善意が壊れてゆく前に 君に全部告げるべきだった」という告白である。

 言えるわけないだろ!

 今日私は、そう思ってしまったわけである。「燈」を聴きながらツッコミを入れてしまった。

 言えていたら、こんなことになってない。夏油さんもそうだったんじゃないかな。君に全部告げることより壊れることの方が容易かったから。その結末が地獄だとしても、それを選ばざるを得ないくらい、人は追い込まれると判断がつかなくなるのではないか。

 私にとって救いなのは、既に「闇堕ち」という事例が世界にたくさんあるということだ。そのおかげで私は闇堕ちしなくて済むのよ、とまでは言い切れないけれど、闇堕ちの過程を知っているというのは、それだけで一定の効力を持つと思う。まあ、闇堕ちする可能性はあるが…。というか既に闇落ちしている可能性もなくはないが…。まあ、こういう文章を書いているので平気だろう。

 

 「燈」を聴いている。燈を、私を、失わないように。

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