タイトルの通りです。私はレポを書くのが好きなので、その好きなこととして書きます。
検査を受けると決めるまで
大腸内視鏡検査を受けるまでに何があったかを整理します。ちなみに年齢は30歳になってから一年ほど経過しております。ちょうど誕生日を迎えそうなぐらいに検査の予約をした。私、えらかった。
なんで受けようと思ったの?
- 身内が大腸がんになった
- 数ヶ月前から排便時に時々トイレットペーパーに鮮血がつくことがあって、大腸がんの症状に含まれている(そのうち排便時に痛みが出るようになってきたから、いよいよ痔では?とは思う)
これに尽きる。それ以外では体調不良は無し。
決め手
- 排便する時に、いちいち「もしや癌なのか」というストレスを感じたくないから
大腸がんってのはがんの中でもなる人の多いもののようで(私は父のことがあってから知ったけど)家族に大腸がんに罹った人がいるとさらに気をつけた方がいいね、となるみたい。便潜血検査(便に血が混じってないか)で引っかかっても、イコール大腸にがんがあります、とはならないが、がんであることもあるので内視鏡検査を受けて実際に大腸の中を見てみるのがよろしい、ということみたいです。
受けないって選択肢はなかったの?
受けなくていいかも、とは思った。実際2年前にも同じ症状があって、そのときはなんか無理に忘れようとして忘れました。今なら思うけどあれは良くないことだったなと思います。今回については、父のことがあってからは「受けない」って選択肢は消えました。行く。あとは、先にも書いたけれど、日常の細かいストレスに耐えられなかったです。明確に調子の悪いところはなくて、でもうっすら体のどこかが痛かったり痛くなかったりして(メンタル的なものはあると思う)それらもがんのせいか!?もしかして!?とか考えるのが、うざすぎた。もちろん、他に私が思い至らない病のサインかもしれないですよ。でもとりあえず、大腸は関係無いよね、ということを証明したかった。
ネガティブなところがあるので、常に最悪の想定はしていて「大腸がんかもしれないなあ、どうしよう…でも違うよなあ、でもわからないよなあ」とずっと色々考えてました。年齢的にも症状的にも、考えすぎ、深刻になりすぎ、と思われるかもしれないけれど、私はそういう人間なんですよね。
決めるまで
がんだった場合のことを考えると「早よ、行けや」の一択なのだけど、決めるのに時間を要した。父のがんも最近わかったことなので、私までがんだったら家族に合わせる顔がねえな…泣かれるだろうし、という躊躇いがすごかった。
この「わかってるけど、調べた方がいいけど、怖くてできない、考えたくない」というモードは、私の中では「防災」と実は一緒で、だから本当に余談なんだけど、内視鏡検査受ける、って決めてから、防災用品をめちゃ買うようになった。もちろんそれには、防災の日が近づいていることや、日向灘で地震があり南海トラフのリスクが上がってきていることも、あった。
あとは「休みが取れない」というのもあった。仕事が忙しくなり、平日に休みを取る余裕が無い、でも病院は平日しか(正確には土曜日にもやってたけど)行けない、病院に行くって言ったらもちろん休めるけど、ただでさえ気が重たいことのために取りにくい休みは取れない、そういう状況。良くないねえ。本当に良くない。書いてて反省した。行け。でも自分の中でなるべく楽で負担の無いようにするのがいいと思って、私は旅行に行く気がなくなった遅めの夏休み?を当てることにした。もっと他のことで楽しめよと、思うが。
予約
行きやすい、WEB予約できる病院にした。ホームページを見たら、ちゃんとした説明があったし女性への配慮もありそうだし、何より一日でできるのが良かった。オーソドックスなのは、事前診察と検査当日で二日かける方法みたいだけど、今だと休み取りにくいから仕方がない。ぱぱぱーと予約。もう私は内視鏡検査を受けるのだ。
前日編
食事制限が入る。ざっくり言うと、消化の悪いものは食べないように、とのこと。そのあたりは予約時に説明があったし、インターネットでもたくさん情報がある。21時以降は何も食べないように。
当日は、朝は白米と目玉焼き、昼は丸亀うどん、夜はコッペパンに卵を挟んだもの。丸亀うどん様々でした。チェーン店で安定的にうどんを提供してるの助かる。うどんは消化の良い食べ物なんだって。病み上がりでもうどんは確かに食べやすい。ただ残念なことに、ねぎとしょうがと揚げ玉はNG。質素。温玉はOKですけど、私が温玉苦手なのでかけうどん冷の大サイズを頼みました。丸亀製麺のオーダーを受け取る人って、短期記憶を消しては覚え消しては覚えで大変そうだな、と思いました。
あとは普段通りに生活しました。なんなら前日にプールで少し泳ぎました。泳いで疲れて爆睡。
当日編
病院の受付時間に合わせる形で来院。受付を済ませ、すぐに診察。どうして内視鏡検査を受けようと思ったのかとか、そういう話。年齢的には大丈夫でしょう。でも、なる人もいます。あとは家族に既往歴があるとやはりリスクは上がります、という、ネットで得た知識のおさらい。まだまだ大腸がんというものは分かっていないことも多そうだ。だって、「食生活の欧米化」で、どうしてリスクが上がるのかよくわからないもの。もしかしたらわかっていることもあるのかもしれないけど、原因に至る理由を私はまだ納得?できていない。考えてきたことではあるが、病というのは、誰が、何が悪いというわけではないのだ。それがとても性格の悪いことなのだろうけど。まあ、それはさておき。
で、そのあと、看護師さんと大体以下のことを会話して決めました。
- 鎮静剤を打つか
- 検査中ポリープがあったら取り除く方向で問題ないか(同意書)
- 腸管洗浄液はどういうものにするか
- 検査の説明と同意
鎮静剤は、最初「打たなくていいのでは?」と思ってたけど「9割ぐらいの人は打ちますね」と言われたので、投与へ変更。ただ、投与すると車や自転車の運転は無理なので注意。
次にポリープの切除について。検査中見つかったら取っていいっすよね?の確認でした。of course.
検査の前に大腸の中を綺麗にしないといけないので、下剤を飲みます。色々あるらしいけれど、なんか普通に何でもいいです(わからんし)ということで「サルプレップ」に決定。予習したのだと「モビプレップ」だったので、なるほど色々種類があるとはこういうことか、となる。そして検査への同意。
そして個室へ案内されます。私は午前から腸管洗浄剤を服用し、大方綺麗になったら検査になります。
VS サルプレップ
持参してほしいと言われていた500mlの水3本が活躍します。ざっくり書くと、
- とりあえずサルプレップ480mlを四分割して(ラベルにここまで飲んでください、ってのが書いてある)1分割10分ぐらい使ってゆっくり飲む
- その際は倍の水を飲む
だったと思います。つまり、サルプレップ四分の一を飲んだら、500mlペットボトルの半分の水を飲まないといけないイメージ。サルプレップの味が「結構味が濃い、レモンかグレープフルーツのスポドリ風味」なので水で適宜薄めて飲むような感じでしょうか。40分かけてサルプレップを1本飲み干します。500mlペットボトルの水は2本飲みます。
私の個人的な感想にはなるけれど、普段飲み物を飲むのが得意でない人がいるならば、結構大変そうだなと思いました。得意ではない、というのがどういう感覚かはわからないけれど…。私なら「ほい」と500mlペットボトルを渡されたら、よほど調子が悪くなければ一気飲みできちゃうけど、水を飲むのが苦手な人もいるのかなって。そういう場合はどうなるのだろう、40分というのがどういう理屈に基づいての目安時間なのかはわからないので、事前にお医者さんに聞いてみるのもいいかもしれない。
で、サルプレップ一本飲むなかで便意がきたら、適宜トイレに駆け込む感じでした。どんどん体の外に排出していきます。ちょっと広い試着室、みたいな個室にはトイレが併設されていて、すぐに駆け込めるのが良かった…。この病院だけなのかはちょっと気になりました。あと、500mlのペットボトル3本じゃなくて、2Lのペットボトルで良くないか?と前日に思った私、多分500mlのペットボトルの方がいいです。サルプレップ1本あたりの飲む水の量が、500mlのペットの方が考えやすいからです。
私はサルプレップ一本飲んでもなかなか便意が来ず、一方で飲むものは飲んでいるので腹がぱんぱんで、腹が痛くなりました。えええ、説明書きには「腹痛」って書いてないけれど…大丈夫かこれ。ちょうど見回りにきた看護師さんから指示をもらい、追加でサルプレップ半分と、水をちゃんと飲むように、と言われたので追加で飲むことになりました。あと、なんか運動した方が良いかもな…と思って、宅トレの竹脇まりなさんの動画の中で軽めなやつを何本かやりました。個室だし。体動かした方が飲み物飲みやすいし。そのおかげもあって、以降怒涛の便意ラッシュ。あんまり下痢になったことがないから、面白いくらいにボボボボボと水分を排出していくのが面白かったです。ちゃんと出すもの出したら腹痛は無くなりました。人体、面白。
綺麗になったかは、排出されたものの色でわかるので、何度も何度もトイレに駆け込み、流しを繰り返して、大体大丈夫そうになれば検査になります。
検査着
検査着を着ます。くるぶし近くまで覆う服と、尻の部分に切れ込みの入った使い捨てのパンツ。貴金属類はNGなので外しますが、女性は例えばユニクロのブラトップとか?(多分着て検査に臨めると思う)下着は金属を使ってないものだといいかもなと思いました。私はブラトップは着ないので、反省。
検査
で、あれよあれよという間に部屋に通され、台にのせられ、眼鏡もマスクも外され、指を何かが挟み(多分バイタルチェックのやつ)肘の内側に針を入れられ鎮静剤投与。お医者さんと看護師さんの流れるような作業に圧倒されながら、気づいたら検査が始まりました。めちゃめちゃ緊張してたのだけど、始まってしまえば痛みも何もなく、モニターにひたすら映る大腸の様子を眺めていました。綺麗だった。テンポよく前へ前へ進むので、なんかマリカー(マリオカート)のコースみたいだと思いました。あるいは洞窟探索でもいい。大腸のカーブを曲がるときはどうしても痛いとかそういう話を聞いて、戦々恐々としていたけれど、何もなかったです。お医者さんの技術と鎮静剤のおかげだろうか。あなたの大腸内視鏡検査が、痛みの少ないものでありますように。
そしてあっという間に検査は終了し、しばらく安静に待機。鎮静剤を打っているので休みます。多分「ドルミカム」という鎮静剤だろうけど(診療明細書に書いてある)普通に意識は覚醒して眠くもなく、すぐに起き上がって説明の紙を読んでいました。看護師さんは予想してなかったようで「お酒とか強いですか?」と聞かれ「飲まないですけど強い方だとは思います」みたいなやり取りをしてました。効く人効かない人がいるのかな、よくわからない。
その後、医師より結果の説明と大腸の中身の写真をコピーした紙をもらい、結果的には「大腸は綺麗で、ポリープもない」ということでした。マジでよかった~。あと10年は来なくて大丈夫だよ、なんて言われましたけど(なぜなら大腸がんは40歳以上からリスクが増えるからです、あと家族の既往歴がある以外はリスクは低めな生活習慣を送っているからでしょう)まあ、どれぐらいの頻度で検査をしていくかは落ち着いてから考えようと思いました。
お会計を済ませ、10分後には焼肉屋でランチセット頼んでました。頑張った自分にご褒美です。肉食いたい。わかめスープ飲みたい(わかめは消化の観点から前日摂取はNGな食材)。
検査に際して考えていたこと
父ががんになったのですが、それもあり最近の私は、がんを始めとしたさまざまな病というものにとても敏感になっています。病について考えるということは、己の生と死について考えることであり、すなわち「どう生きるか」という問題に突き当たります。日々、考えています。昨日考えていたことが、今日はまったく異なるものになることは、ざらにあります。
今回、結果的には「問題なし」となりましたが、同じ検査をして、偶然、病が見つかる人もいます。ちなみに父も、別件で色々調べている過程で内視鏡検査をして異常を見つけたらしいです。私は問題がなかった。でも、同じ検査をして問題が見つかった人もいた。この違いは何だろう、とか、そういうことを検査後は考えていました。
何千人、何万人に何人。%として弾き出すことは可能だけれども、病というのはその人にとっては一分の一で、逃げることのできない数字になる。私もまた、今は見えていない、今はなっていないだけで、見えないところで、あるいは遠くない未来、何万人に一人に当てはまる可能性がある。自分はきっと大丈夫だなんて、思うことはできないのでした。
病を遠ざけるというのも違うと思います。病はすぐそこにある。死は隣にいる。だからこそ、今を最高に愉快に生きたいのだと、最近の私は思っていたりします。
自分で言うのもなんだけど、かなり健康的な生活を送っています。煙草は吸わない。お酒は飲まない。やや肥満なんですけど最近はゆるやかに減量傾向にあるし、よく食べよく眠り、適度に運動をしている。でもそれって、別に長生きしたいが為にしていることではなくて。今の私が心地よく生きるために、必然的にそうなるだけのことで。結果、それが「健康に良いこと」なのだとしたら、私はとても運がいい人間なのだと思います。まあ、「健康に良いこと」を己の快楽とするように、自分の中でチューニングしているところはあるにはありますけど(その方が「得」だと思うので)でも、それが可能であるということそのものが、運なのだと思います。私はその運を手放さず、なるべく生きていきたいです。
病について考えています。どう生きるかということも。