根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【女王蜂】物語を今一度/「回春」を聴いて

 「かいしゅん」という音の響きに、率直にびびりました。「悔悛」なんてのもあるけど、やっぱりその音の響きは「買春」という言葉を連想させます。えええ、なんか怖いなあ、と思ってしまう私の心には「別に私が聴くのはいいけども、私以外の人はどう思うのだろう」と余計な忖度があるわけで、うっさい黙っとけや、と(私は結構口が悪いです)ちゃんと聴きました。なんか昔から、他人が、この曲を聴いたとき、このニュースを知ったとき、この本を読んだとき、このドラマを見たとき、という色々な想像が膨らんで勝手に動揺しちゃうのですね、まあそれはいいんですけど。

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 聴いたのはfeat.満島ひかりの方で、これがもうべらぼうに良くて、なかなか落ち気味だったところが途端に上向きになりました。単純。

!?!?!?!? (これはとても好きなやつでは…) https://t.co/NE2YSwdxgh

MPが底をついてたけど一時的に回復した。夜までなら持ち堪えられるでしょう。

 以来ずっと聴いています。文字通り、ずっとです。他の曲をちょっと聴くこともあるけど、今日まで大体ずっと聴いています。

 あんまり多くは語れないけれど、歌詞から歌詞に書かれている言葉以上に情景や心情を想起できるところが好きです。大事な言葉を書いているけれども、ここで語り切れない、言葉にし切れない言葉があって、それも含めて大事なんだと、そういう余地がある感じ。それは私たちの普段の会話と似ていて、うまくそのじれったさを音楽に落とし込んでいるところが好きだなと思いました。駄弁っているときの感じをテキストで表現するって結構難しいと思うのだ。

 「きみ」は今は同い年の「彼」がいて、隣でその「彼」が眠っているときに「あなた(貴方)」と電話している、というところか。あらあ。そうやって表現してしまえばそれだけのことだけど、音楽は音と歌詞が乗るから雰囲気がかちっと決まってやっぱりいいなあと思います。

 

 回春というのは「春が巡ってくること」という意味があるらしい。そして私は「買春」という言葉も連想してしまう(ちなみに私は「買春」を「かいしゅん」って読んでたけど、「ばいしゅん」とも呼べるんですよね「売春」と被るから差別化されているらしい)。結局そのとき、その時間何があったかというのは本人たちのものだし、まったくの他人がそれが何であったのかを決めつけることはできないということだと思います。私たちは暫定的に「ばいしゅん」を駄目なこととした。でも、個別具体的なことがどんな場所にもあるのだということ、それが物語だし、音楽などの手段で表現できることなのだろうなということを考えてました。

 この曲は女王蜂の「売春」(売旬としてもリリース)の延長にあると言われているみたいで、「回春」は音の響きから連想する別の強い言葉は意識していると思うし、その上で意味に個別具体的な事柄の重みを重ねていく感じが好きだなと思います。

 

(なお「売春」「回春」もそこで登場するふたりはどういう関係であったかは主観でしか語られませんからね、念のため)