根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【VERIVERY】Oで好きなカットを愛でる/SERIES 'O' [ROUND 0:WHO]より

 タイトルの通りです。考察もしたいところは山々だし、合っていても合ってなくても妄想膨らませるのが楽しいんじゃ!と思う気持ちがあるけど、考察するなら及第点を取りたいという変なプライドが邪魔してVERIVERYに関しては考察を諦めてしまうところがある…なんだそれ恥ずかしい。

 今回は先日公開された新曲「O」のミュージックビデオでいちばん好きなカットを愛でようかなと思います。絵貼ってないところは各自ミュージックビデオを見てください。とにかく「O」は一つひとつのコマの情報量が多い。そしてすごく美しい!もうオーディオコメンタリーで副音声つけたいぐらい、MVを見るときはリアクションしていますが、頑張ってテキストに起こそう。

 

いちばん好きなカット:メンバーソロ?

 1番サビの後半1:15のあたりからのミンチャンさんパートの部分です!!!ぱふぱふぱふ~おめでとうございます。

 正直カットだけなら、他にも好きなところはあって、チャニのタバコ(っぽいもの)に火をつけるケーのところとか(グッとくるねえ!)メソメソしてるヨノのシーンとか(スマホ投げるところね)地面から起き上がったホニさんの美人っぷりとか(アイメイクちょっと濃い目のその瞳で見つめられたその日には、、、もう!)本当に色々あるのですが、でも結局ミンチャンさんのパートが総合的にはいちばん好きかなと思います。

 ここ、もーーーーー、とにかく好きで、毎回MV見るたびに「うっっっっっっっっっ」と呻いている。いや、まじで。ミンチャンさんってこんなに瞳が綺麗な人なんだ、なんて目が綺麗な人なんだろう、そして流れる深みある声。これが「至福のひたとき」と言わずして何なのだろう。

 OのMVで印象に残ることが1つあって、例えばバスのシーンで前にケー(ケヒョンさんね)後ろにヨノが座っているところを正面から撮っているシーンなんかは、ヨノに焦点を当ててケーをぼやかしている。それと同じ撮り方をこの1:15でもしていて、ミンチャンの後ろには路地の壁に寄り掛かるケーがいて(というかこのMV、全体的にケー以外のメンバーのそばにはケーがいることが多い。意識的な配置といえよう。そういう役回りなんだろうね)ぼやーんとしている。なんでしょう、メンバーをぼやかして撮るけど、でもその場に居るということがいい塩梅のスパイスで、誰かと一緒にいても自分だけがこの場にいるような、でもハッと我に返って隣にはちゃんと誰かがいる、そんな白昼夢のような感覚が感じられて好きだなあと思います。「あ、いるんだ」という存在感を持たせる撮り方は、そのままOという作品全体を流れる観念の延長にあるものなのでしょう、と勝手に納得してます。好き。

 このミンチャンさんのパートは公式の和訳をそのまま引用すると

暗闇 like the 'O' 僕を飲み込んだ場所 終わりのない空-虚

というものですが、浮かぶ表情の中にうかがえる感情はまさに「無」という見事なシーンでして、そういうところが好きな理由です。ほんとミンチャンさんはかっこいいね。構図とミンチャンさんとそのパートが三位一体となり、二倍三倍と良さが増幅して感情で胸がいっぱいになってしまうこのカットを私は推します。なんというか他のどのパートよりも音が、言葉の意味が絵と一緒になって入ってくるのがこのパートだったわけです。だからいちばん。

 

いちばん好きなカット:メンバー複数

 「いちばん好き」とか言いつつ、二つ目を書こうとしておりますが、実はメンバーが複数映ってる、好きなカットもあるので書きます。それは1:53のホヨンさんのパート。何やらランドリーの洗濯機の中で物憂げな表情を浮かべているヨンスンを心配するメンバー、その後ろ姿から切り替わって横顔が移るところ!

 ここ、ホニ、ホヨ、ケー、ヨノ、カンミンが映っていて(ランドリーのシーン、ミンチャニさんの姿を見てないのだけど、何故 of 何故)表情の違いがまずは好きなところ。「ヨンスンをこんな風に落ち込ませる世界、ぶっ殺す許さん!」みたいな年下の二人と、「どうした~?」って感じの年長組と、さすがの堂々とした佇まいのケー様という、三者三様な感じが好き。首をかしげる動きも撮ったの良いなあと思います。ケー様の首の動きがあるかないかで、シリアス度が一段階下がると思う。

 ここでシリアスな表情(ヨノカンミン)と、割とカジュアルな表情(ホニホヨ)という二つの反応を撮ることで、ヨンスン本人のシリアスさとそのあとのランドリーでの乱痴気騒ぎのあいだの繋ぎができると感じました。ここ、どちらかの表情に偏るとうまく繋がらないと思うのですよね。全員が暗い表情だと、ヨンスンの手をグッと引き上げただけではちょっと足りない、というか唐突さが加えられた余計に「狂乱」って感じがしてしまう。逆に全員が「何々~?」という表情だとヨンスンの重たさだけが浮いちゃう。そんな感じしません?

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 この「どちらか一方に偏らない」というのはOのMV全体的に言えることで、OのMVで描かれているのは、感情の揺れ動き、その起伏の大きさ、でもそれが一本の線、ひとりの人間の中でで繋がっていること、だと思うのです。ここ以外のカットは、場面が切り替わるたびに、喜・哀・喜・哀も切り替わるけれど、ランドリーのシーンは、

  1. ランドリーで一人沈むヨンスン
  2. 様子をうかがうメンバー
  3. 引っ張り上げるケーと引っ張り上げられるスンわ
  4. 乱痴気パーティー in the laundry

 という風に区切られることなく流れができているように思えます(あと一つのシーンでというならクラブの場面か。あれもケーが部屋の部品を燃やしたことが感情の大きな切り替えになっているのですよね…)。このランドリーのシーンはそういう意味で結構大事なシーンではないかと思います(どうしてミンチャンさんがいないの…?)おそらくこの曲の最終的なマッサージであろう「手を差し出して、If you want me to shine」(訳すと「私を輝かせたいなら」かな)ですからね。

 このOのMVは感情の起伏だけを意識してみて見るとかなり面白いと思います。思っているよりかなり浮いたり沈んだりしている。このカットは短いですがとても印象に残りました。

 

 ということで、好きなカットを愛でてみました。この作品についてはまだまだ考えることがたくさんありそうですが、一旦はこの辺で。

 

補記

 一つ、一昨年から昨年にかけてお休みをしていたミンチャンさんに薬物の過剰摂取をするキャラクター(どういう風に表現していいかわからんので「キャラクター」と記載する)を演じさせるのはどうなのさ? というのは私なりに考えるところがあったので、以下に私の考えを整理してみました。これが正しいかはわからないし、引き続き考えていきたいです。

 

1. オーバードーズの描写は適切か

  • そもそもODに限らずセンシティブにならなければならない描写はたくさんある
  • 仮説として居酒屋で焼酎を飲む描写や家までの帰り道を歩きながら瓶を呷る描写があったとして、それはアルコール依存を刺激するものだと言うことは可能かもしれない
  • であれば私たちは酒を飲む描写について規制するべきか、というと感覚的には難しい気がする
  • もちろん専門家が策定したガイドライン的なものがあればそれに従う方が良い
  • MV上ODを推奨する描写はないし、かっこいいものだとも描いてない
  • ODの描写を敢えて入れる必要があったかは微妙なところだが、何かに依存するというのは私たちにとって身近な問題であるからこの曲のMVに入れ込むことは不自然ではないと思う
  • 依存を描く上で「わかりやすい」ということはあるのかもしれない
  • 「病」というのは難しい
  • 人それぞれの個別具体性があり付き合い方がありそれを一般化することはできるのか否かみたいなことは考える
  • 病を過剰にも過小にも扱わないスタイルを模索したい気はしている
  • 難しい

 

2. ミンチャニさんが演じる必要があったか

  • あったかどうかで言えばないだろう
  • が、他のメンバーも何かしらの不安や葛藤を抱いているという設定において、ODでなくても、何かしらの問題があるキャラクターを演じることになるわけで、本質はODではないのでは?という気がする
  • つまり言ってしまえばこのコンセプトをやらせるのはどうなの?という問題になる
  • その点については、当事者の表現の問題でもあるし、チーム内で入念に検討されたのちに本人ともきちんとコミュニケーションをとった上での撮影ならいいのでは?と思う
  • そしてこのグループならきちんとメンバー間でコミュニケーションができると信じている(それはこちらの勝手な希望でもあるが)
  • 会社としても当然配慮できるものと考えるし、配慮しろ(でなければマネジメントとは呼べない)アイドルのケアをしてくれ

 

 こんな感じですかね。そもそも一つの映像作品をつくるのは大変なことだと思うし、冬の撮影でなんだかとても寒そうだし、色々なセットで撮影しているし、そのこと自体お疲れ様~~~なわけなので、温かい布団で休んで美味しい食べ物食べてぐっすり眠ってください×365日、と思うことしかない。誰であってもどんな時であっても。同時にこの作品を見るのが辛かったら、我々も見る必要はないんだよ、と思います。私自身最初はかなり心を揺さぶられて意味もなく落ち込んだし…。この作品を肯定/否定するというよりは、この作品が私にとって何なのか、VERIVERYというグループにとって何なのか、考えるのが楽しいです。私はこの曲好きです。MVも好きだしパフォーマンスも好き。