根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【VIXX】ホンビン君のこと

 私には、趣味の悪い癖というか、処世術というか、ストレスマネジメントみたいなものがある。何か特別なことが起こったとき、それをできるだけ客観視して一歩引いた目で見たい自分がいる。なんなら「やっばーーーい!面白い!」という祭り気質がむくっと現れる。多分そうすることで衝撃を受けたときのダメージをなんとか軽減しようとしているのだと思う。じゃあこれはどうだろう?

「推してるアイドルグループで最初に惹かれた推しが、グループから突然脱退した」

 まったく、特別以外の何物でもないね。

 グラスで一気飲みした生茶が胃の中でタプタプしていてとても気持ちが悪い。

 一言で言えば最悪。吐き捨てるような感じで言うよ、「最悪」って。

 あれだ、多分アニメ『響け!ユーフォニアム』で、希美とみぞれがついに鉢合わせしてみぞれが逃げ出しちゃった場面のあすか先輩の「ちっ…最悪っ」と同じテンション。私「最悪」って言葉、あんな風に言いたかったんだよな。今がそのタイミングだろうさ。

 

 でも誤解しないで欲しい。

 私が最悪な気持ちであるのは彼の脱退がきっかけではあるけれど、もう色々な感情がぐらぐらと混ざり合い煮詰まった結果が「最悪」なので。本当に、そうなのだ。

 

 ホンビン君が、VIXXから脱退した。

 不思議と、悲しくない。不思議と?

 不思議と。

 

 これからもしばらくは彼を取り巻くであろう呪詛のような言葉。節目の時に続けると決めた彼が、続けないと決める過程にあったこと、そこで生まれた感情。メンバーとどのように言葉を交わしてきたのか、メンバーはどう思っているのか、彼らの現在の心境。たくさんのファンの気持ち。嘆き。悲しみ。全然知らない部外者の好奇心と真偽を確かめようもない情報。それらすべてが「最悪」。

 その「最悪」を想像すると胸がぎゅっと締め付けられるように痛くて、苦しい。

 でも、悲しくない。

 

 私は、アイドルにファンのことを考えてほしくない。ファンのことを考えるくらいならば自分のことを考えてほしいと思うようになった。「ファンサがいい」なんて本当にどうでも良かった。自分の人生、自分の力で切り拓いたる!自分が輝くのが大事!(自分が輝く云々は特にナウで訴えかけてくる特撮があってね、『キラメイジャー』って言うのですが)それぐらいの気持ちで良かった。自分の身を守るために行動してほしかった。それができないくらいならアイドルなんて捨てて良かった。どんな形でも捨てて良い、自分を守ってほしいって言える私でいたいのだ。

 

 ファンの絶望も希望も、別にホンビン君が背負う必要も無いと思う。そんなん背負えると思わないでほしい。本当のことは本当にごく限られた人しか知らないわけだし。その人がどういう人なのか、何があるのかないのか。そんなの知りようがない。

 今きっとホンビン君についてたくさんの人が考えていて、そのどれもがその人にとっての「本当」で、しかし本当ではない。「本当」と「本当」のどれが本当かなんて競わせるのも意味がないし、だからこれ以上無為な争いが起こらないようにと願うばかりです。

 

 ホンビン君お疲れ。本当にずっとアイドルやってきてくれてありがとうね。君が『呪いの人形』のミュージックビデオで狂った演技してなかったらここまでK-POPを好きになってなかったし、K-POPから転じて音楽全体を好きになることはなかった。VIXXを知らなかったら今の私はない。ブログやってきて良かったなって今のところ思うけれど、このブログの最初の記事はVIXXなんだよね。VIXX好きになってなかったら多分また違ったブログになっただろうし…。

 この選択が、少しでもホンビン君を楽にするものなら、それでいいと私は思います。そしてなるべくなら変な人に騙されず、犯罪に手を染めず、君のことを心の底から大切に思っている人たちを悲しませず、元気に生きるんだよ。頑張らなくていいから、生きようね。