根津と時々、晴天なり

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【VERIVERY】まだ知りえぬこと/Road to Kingdom 最終パフォーマンス『Beautiful-x』

 一か月前、私はこんなことを書いていた。

プレミア公開の機能にカウントダウンというものがあるらしく、私が見たときは残り14秒を切っていた。そうか、この画面を見ながら私だけでなく世界中で彼らの新しい音楽を聴こうと待っている人がいるのか。そう思うと、また違う興奮が迫ってくる。この瞬間を誰かと共有している感覚。

【NCT127】Punchと地下通路 - 根津と時々、晴天なり

  Road to Kingdom.

 先日最終回を迎えたこのサバイバルプログラムには最後の最後まで課金することはなかったライトな視聴層の私。出演した全7グループは全部知っているし嫌いなはずがない(思えば、アイドルを好きで推しているのに「嫌い」という感情が発生するのは結構面白い話だ)。ただ中でも最も推しているのはVERIVERYなので、彼らのパフォーマンスが一番楽しみだった。

 冷静に分析すれば彼らが本選に出場するのはかなり可能性が低い話で(投票もしない人間にこんなこと言う資格は無いんだけど)なんだか、フィギュアスケートエキシビションに臨むような心持だった。出場するか否かやきもきしている人にとっては、そんなまったり楽しめる最終回ではなかっただろう。早くパフォーマンス動画を見たいなと思っていた。

 最終回だけ生放送らしい。

 今状況は刻一刻と変わっていくということだ。そしてどうなるかわからないということだ。失敗するかもしれない。大逆転があるかもしれない。そういう「想定外」の存在感が増してくるということ。

 思えば、私がライブなどイベントに行くようになったのは、ふわふわとした感覚に対して収まりが悪かったからというのもあった。ライブに行けばもっと「実感」とやらがついてくるかもしれない。アイドルを推している実感。だけど結局ライブに行っても私が想像していたような手触りのある実感というのはなくて(あ、手触りと形容したのは比喩的な意味で、接触とかそういうものを意味しているわけではないです)釈然としなかった。もっと「がぁーーーーーーーー」ってなるもんじゃないの?まあ、私が期待していた実感とやらはどうやら雲みたいな存在ということがわかって、今ではどうでも良くなっているけれど、当時はヒリヒリしていた。割と。

 話を戻そう。生放送である。その日、放送されているということである。

 Mnetは仕事が早い。生放送らしいが比較的早く動画をYouTubeにアップしてくれる。この時点で放送は私の先を歩くわけだけれど、私にとっての今は、ここだ。まだ彼らのパフォーマンスを見てない、今だ。

 動画を再生する前に、私はゾクッとした。肌が粟立つ。期待と、もしかして、恐れ?大袈裟だなぁと思うけれど、ここには私がまだ知りえぬ風景があることは明白で、ぽちっと再生ボタンを押してしまえば知る前の世界には戻れないこと。私は知っている。怖いなぁ、と思う。

 暗転する会場、他のアイドルやオンライン上の観客の好奇の目と期待、現場のスタッフ、そして何よりメンバーの胸が破裂しそうなほどの緊張感、少しの時差で私も追いかける。あら、いやだ。ドキドキしている。そう、先日のNCT127のカムバの時と同じだ。もしかしたら、今を共有するってことは(私は今までそれがよくわからなかったんだけど)その時の「今」と私の「今まさしく」を繋げることなのかもしれないね、と思った。

youtu.be

 

 とんでもなく楽しいステージだった。

 音源だけを、特にサビだけを聴いたときは「つ、つまらないのでは…???」って思ったのだけど、よくこの音楽にこのパフォーマンスをのせたなという感想です。歌詞を見るとVIXXよりもVERIVERYっぽいってのが興味深いけど、音だけ聴けばなんだか先輩グループVIXXのアルバムにあってもおかしくないお洒落な曲。誰がどこを歌うのかまで考えられるそのハマり具合に(ミンチャンパートはほんびん一択だね)このキュートで多幸感あふれるパフォーマンスをはめるって…天才?

 gogobebeの難しいワンテイク撮影を乗り切ったことがプラスに働いていて、マス(集団)を色んな角度から撮っておいて、カメラの切り替えによってその魅せ方を変える手法、すごいなと思いました。そこに次のカムバックやこれまでの世界観とつなげる小ネタを仕込みに仕込む、サバイバルプログラムの演出やカメラワーク、会場などの肩を借りちゃう宣伝でありファンに向けたメッセージ。何を達成するかってのが考えられれて、本選出場する?しない?の優勝争いの渦中にいない自由さがなんだかあった。良くも悪くも。

 

 ここからはファンである私の超細かい感想をただ羅列していきます!

 このパフォーマンス、定点カメラで見ているわけではないのでなんとも言えないのですが、1番ってダンスにおいては鬼軍曹なドンホンはあんまり踊ってないと思うんですね(個人フォーカス見ましたけどやっぱりそうでした)。絵描いていたりドラマ叩いていたり。1番サビは多分袖にはけていて、つまり弟6人が必死で踊っているわけですが(笑)それを練習室で叱咤激励しながら指導し、本番ではそわそわしながら袖で眺めていたりするのかしらと思ったら、Mnet、個人フォーカスも出してくれないか?ってなります(出してくれました、ありがとうございます)。なんだか泣けてくる。

 それでなくても、今回ドンホンから離れた?小出しのダンスが多くて、1:21付近から始まる、ヨンスンとカンミン二人のダンスはTag Tag TagのダンスやLay Backのミュージックビデオでも表現されていた鏡の対称を彷彿とさせて「めっちゃ好き!!!」になるし、一人っ子だけど弟思いのヨンスンが多分カンミンにマンツーマンでついて細かく振りを合わせていたのだろう(想像)と思うと、これもまた泣けてくる。バンドマンなホヨンさんも「めっちゃ、、、わかる!!!」ってなるし、優等生キャラだけど歌が上手いヨノってのはなんだかとてもリアル。ドンホン見守る(仮)一番サビはまずミンチャンヨンスンカンミンの一人っ子組3人で踊り切るわけで、これもー泣けてきます(何回泣く?)最初の最初はヨンスンってメインダンサーという肩書だけれど、ダンサー組の並べ方的にはドンホンホヨンヨンスンが割と対等でそれぞれ異なるスタイルってイメージでした(私の個人的意見)。ヨンスン、多分そのバランスから抜けつつあって、その理由としては表情演技という武器が磨きに磨かれてきたってのもあるけど、本当にダンスが上手くなった。メインダンサーとして任せられるメンバーになったなという風に思っていて、このパートもミンチャンやカンミンに教えたり聞かれたりしながら練習したんやろーと思ってまた涙。兄組+ヨンスンのバスケットボールを使った振付は、失敗するかもという緊張感がある中で踊り切りめっちゃかっこよかった。小道具が登場すると「(時々ポンコツなドンホンさん大丈夫かしら…)」って心配になるのが面白かった。多分その辺で圧倒的センスを誇るホヨンやケヒョンが練習ではひょいひょい習得したんだろうなこの振付。ケヒョンさんがどセンターでラストサビに入るところなんかは、本当に本当にかっこよくて、末っ子の垢抜け具合及び磨きのかかり方が注目されがちだけれど、それに隠れるように(もう世界には見つかっていると思いますが)大化けしているのはケヒョンさんなんですよねーーー、あーーー見つかったわ、おめでとう。

 PHOTOのような音圧勝負コンセプトを徹底追及しました!!!ももちろん大好きですが、なにせSuper Specialでもう彼らの音楽が好きになってしまった身としては、本当にずっと笑顔で楽しく笑っていてほしい、それを私はずっと見ていたいという気持ちだったので本当に嬉しかったです。音源だけではこのパフォーマンスは導き出せなかった分、その嬉しさはより増したと思います。といっても、アイドル本人がやりたいorやろうと思ったことをやればいいと思いますが。

 

 Road to Kingdom。

 私はこのプログラムについてはっきりとした評価を下すことができません。一体この数か月は何だったんだ、と思います。出演しないより出演した方がメリットはあった。そう思いますが、同時にかなり短期間に様々なパフォーマンスをしなければいけなさそうだったのでその負担も心配です。K-POPの厳しい環境だからこその楽曲の良さや面白さ、楽しさを存分に味わっていながら、その厳しい環境に対して心底嫌気がさすのも事実で、何度も書いてしまう通りこの矛盾を私はどうしても解決することができない。聞かなければいい、見なければいい。そう思っていながら、今や自分の楽しみとK-POPは切り離せる存在でもなく、自分の興味が次第に沈静化するのを待つしかなさそうです。

 ただ、まだ知りえぬことの劇薬っぷりはとにかく感じました。今回何やるのかなどんなパフォーマンスするのかなーと他のグループ含め楽しむことができました。だからこれからもまだ見ぬ世界を作り続けるアーティストには敬意を払わにゃいかんよなーと思います。真面目に。

 ○○が好き。○○しか好きじゃない。Road to Kingdomはその実「○○しか好きじゃない」層をどれだけ惹きつけるか?の勝負だったのかもしれませんね…。どうしても通常時だと自分の関心外にあるグループは意識しないと出かけられないし、不意打ちでノックダウンされることもあるけれどそれって本当に運命みたいなものだし。この勝負って、表の結果からだとなかなかわかりにくいところがあるので、各グループこれからのその種がどう発芽するのか見守っているって感じですかね。

 もう少し新世界に対して柔軟に。全体的にそんなことを思いました。ほんと楽しめない世界ですけど、楽曲だけみれば楽しまないと勿体ない世界。好きな音楽を明日も生きる糧にできるよう、つまらないことも考えつつ音楽を楽しめたらいいですね。VERIVERYのパフォーマンスは私にとって本当に楽しいものでした。

 

 そしてTHE BOYZは宣言通りKingdomの扉を開いたわけですが、さてどうなるか。Road to Kingdomをやり切ったことも意味があることなのでそれがいつどのようにどんな形で現れるのか楽しみだなと思います(まあ、あんまりKingdom自体には関心が無いですが)。