根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【アニメ】Netflix放浪旅/賭ケグルイ××『理の女』&ヴァイオレット・エヴァーガーデン第10話

 オタクとは繰り返しの中に快楽を見出せるもの、というのが個人的な意見ですが、何かに夢中になっている方、例えば同じ振付を「あ~~~好き…」と何度も巻き戻しては再生ボタンを押すことはありませんか?あるいは「ここの、表情…さいっっっっこう!!!」と何度も見てしまうことは?ある特定の領域における刺激に対する耐性がついてない、という感じ。私はそうですね、『風の谷のナウシカ』の最初の腐海遊びのシーンがめちゃめちゃ好きで、永遠に王蟲の暴走(クライマックス)に辿り着けません。

 ということでビデオにしろDVDにしろ、「あとで何回でも見られる」にめっぽう弱い。だってずっと見ていられるからです。それを持ち歩ける端末で見られるのでしょう?DVDとかだったら「あービデオデッキの電源つけてー読み込んでー再生してー」という面倒くささが抵抗になってまだこの欲求に抗うことができるけど、スマホじゃそうもいかない。このNetflixというサービス、多分ほどほどにしないと私は廃人になる、そんな危機感を抱きながらどうしても見たかったお話があったので30日間無料トライアル中です。

 

賭ケグルイ××『理の女』感想

 まず言っておくと、生徒会長・桃喰綺羅莉の声優さんが好きなのです~。沢城さんはハスキーでかっこいい声の声優さんなのですが、これまで性別年齢様々な役を演じられていると思います(初めて認識したのはアニメ『テガミバチ』のラグの声)。この素敵な声が生徒会長のキャラクターとばっちり合って「うーーーーこの台詞が聞きたかった!!!」のオンパレードなのです。賭ケグルイはタイトル通り登場人物が狂いっぱなし、ネタか?と思うぐらいの感情の起伏とリアクションが面白い話ですが、そのてっぺんに君臨する桃喰綺羅莉だけが常に淡々と周囲の人間に対し強権を行使しまくる。それを沢城さんの声で聞ける!嬉しい!賭ケグルイはアニメもドラマも声優、俳優さんの演技がとにかくすごいので、その点も魅かれる作品ではありますが(特に蛇喰夢子役の早見さんの演技力がものすごい)。

 そしてこの『理の女』という話が好きです。多く言うとネタバレなので控えます。最初「これはギャンブルなのか」と思ったのですが、そもそもギャンブルとは「賭け事」の意ですから、この塔のゲームも何かを賭けて行われている以上それはギャンブルなのでした。私はどちらかというと「運任せのゲーム」+「何かを賭ける」ものがギャンブルだと思っていたので、知識力が重要になるこのゲームってギャンブルかなぁとそれまでは腑に落ちていなかったのですが。

 この生徒会長・桃喰綺羅莉と生徒会書記の五十嵐清華の関係性がよくわかるエピソードが『理の女』という話らしく、今まで淡々と有能な書記っぷりを披露していた五十嵐清華の狂った部分が露わになるのが好きなところです。

 この二人の関係性、この話のオチ、非常に「百合っぽい」と一般的には解釈されるのかなと思うのですが、私はむしろ、「自分と圧倒的に異なる他者に対する異常な興味関心で繋がれた関係」という視点で非常に気になっているところです。『リズと青い鳥』でも感じましたが、ある二人がいて、お互いに向けられる心のエネルギーがどう考えても同じじゃない、量も質も違う、という関係がちょっと不思議…。むしろその方がしっくりくると思うのですが、ではそうした場合二人はどんな風に関係を維持しているのだろう?その微妙なバランスは?みたいなところが関心の背景にはあるのだと思います。この二人の関係、この先どうなるのでしょう。生徒会長は異常な好奇心があるけどそれはどちらかというと「知識」とか「経験」とかの好奇心であって、そこに「情」は含まれているのか、とか。五十嵐清華への興味と、月の裏側への興味は同じ種類のものじゃないのか、とか。面白い~。

 ま~でもこの話、本当に音楽が素敵で効果的で、すごく良いのです~。五十嵐清華は理をとことん重んじることで最終的には救われた。それは五十嵐清華が「人としてちょっとおかしい」と評されたとしても、そのまま理を重んじて生きれば?というメッセージにも思えて、賭ケグルイという話はさらーっとアニメを見ただけの感想だけど、登場人物たちがのびのびと狂っている、そしてそれが認められているのが良いなぁと思いました。その狂気に親近感が湧かなかったとしても。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン第10話

 一番近くのレンタルショップヴァイオレット・エヴァーガーデンのDVDが無いことから始まったNetflix放浪旅でした。話としてはわかりやすくまっすぐ悲しく素敵な話だと思うのですが、改めて細かく見ていくとまた涙涙涙。そしてそれは最高のアニメーションと声優さんの演技があってのことかと思います。アン役の諸星さんすげえ…お母さん役の川澄さんのこらえた感情が漏れ出している感じも素晴らしかった…。

 「私が嫌な子だから」。これまでのアンの晴れない葛藤や自己嫌悪が滲む名台詞だと思っています。この場合、アンに言わせる台詞の候補はたくさんあると思うしもっと言葉を畳みかけてもいいと思うのですが、これっきりってのがまたね…がーーーーーんときちゃいます。ヴァイオレットに甘えたがり、強気で自己主張ができる可愛らしい女の子。そんなアンのイメージがまたちょっと変わる場面です。お母さん思いの良い子ってのがよくわかるし、アンの本音が一番ぽろっとむき出しになる台詞なのでした。ああ、また泣けちゃう。性懲りもなく何回もこの話見ちゃうかもしれないな…。ちなみに一番好きな場面は第7話、水の上を三歩歩くヴァイオレット、です。うっとりするぐらい、綺麗。

 

 

 ということで、Netflixには色々なアニメやらドラマやら映像コンテンツがあるようです。30日の間に自分の時間を損ねない程度にたくさん見たいと思っています。で、なんとか30日で抜け出すぞ、じゃないと廃人になるぞ私。