根津と時々、晴天なり

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【本】恩田陸作品のこの登場人物の名前が素敵だ選手権

 「恩田陸 登場人物 名前」と検索をかけるぐらいには、恩田陸作品の登場人物の名前が好きです。こんにちは。好きなので、こんな文章を書いてみようと思います。著書を全部網羅しているわけではないのであれですが、恩田陸作品の中から印象的な名前をピックアップしてみたいと思います。

 

 

 小学生の頃から本は読んでいた記憶がありますが、なかなか「読める」「文字が頭に入ってくる」と思える作家さんは見つけられなかった記憶があります。そんななか「読みやすいなぁ」と思ったのが恩田陸さんの作品でした。面白いとも思ったけれど、まずは読みやすいと思いました。今も初めて読む作家さんは文章に慣れることから始まります。

 で、本題に移りましょう。

 

No.1 栄伝亜夜(『蜜蜂と遠雷』)

 直木賞本屋大賞を受賞した『蜜蜂と遠雷』から。「栄伝亜夜」です。その人そのままの名前、という感じがしてとても素敵です。「栄光」を「伝える」という名字が、そのまま「若くして熟練した技能と表現力、感性を持つ天才ピアニスト」である亜夜らしいといえばらしい。逆に、あることをきっかけでコンサートから敗走(敗走って言うのかな。どうだろう)したことで「栄光」を「断った」ピアニストと揶揄されるようになったのだから、名前とは難しいです。

 何より好きなのは「夜」の文字が入った名前の方。「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」のシーンはとても印象的でした。

 月光のようにしとやかに輝く白光のドレス。滑らかに黒く光る舞台上のピアノとドレスを着る亜夜。音楽に愛された少女。太陽より月が似合う女神。そんなイメージが浮かび、私は彼女の名前はいい名前だなと思います。

 

No.2 神原恵弥(『ブラックベルベット』他)

 「恵弥」と書いて「めぐみ」です。中性的ともまた違う、人間として愉快な登場人物。そういう「挟間」にいるような微妙な部分を掬い取った名前だなーと思って記憶に残っています。キャラクターのインパクトがあるので残っているかもしれないけれど。ちなみに確か有能な弁護士である双子の妹さんが登場されていて、名前が「和見」っていうのだけれど、「和美」ではなく「見」の字を使うのがいいなぁ…と私は思っていたりします。「見」という漢字を書くのが好きってこともありますが。

 

No.3 遊佐美和子(『夜のピクニック』)

 主人公である貴子の親友。美和子ちゃんを私は推します。名前を裏切らない大和撫子。国立理系コースの秀才。テンションが低空飛行している(でも乱れることはないし過度に落ち込むこともしない安定さんでもある)貴子の傍にいて、せっせと世話している良きお姉さんって感じ。私はこの小説で落雁というお菓子を知りました(美和子ちゃんは和菓子屋の娘さんなのです)。1日中歩く歩行祭に親友の為に草もちやら落雁やら差し入れしてくれる女の子。人間としてこういうきめの細かさ持ちたいです私。

 遊佐という苗字は聞いたことがあるけれど、どちらかというと東の苗字なのかな。へー。「遊」が入った苗字だと「小鳥遊」なんてのも難読漢字で面白いなぁと思います。

 

No.4 春日紫風、萌黄、蘇芳きょうだい(『雪月花黙示録』)

 名家旧家の生まれで武芸に(多分学業もできるのでしょう)富んだ三きょうだいの名前も挙げずにはいられません。そういう設定なのでどこか和っぽい雅な名前であるのですが、にしても特徴的な名前です。どれも色が関係している名前なのですね。

 蘇芳といえば『七月に流れる花』で佐藤蘇芳という少女が出てきますが、これは多分関係していないです。別世界の別の登場人物かと。

 

No.5 東響子・佐々木飛鳥・宗像葉月(『チョコレートコスモス』)

 これも見事な名前。名前とキャラクターがぴったり一致していて、おさまりが良いな~気持ちがいい、という名前です。

 

No.6 関根春・夏・秋きょうだい(『六番目の小夜子』他)

 ここはおぼろげな記憶。『六番目の小夜子』も『図書室の海』も『ライオンハート』も読んだのだけれど最近は読んでいない。ただこの関根春については「そんな人いたか?」というレベルなので(『Puzzle』に出ている?私この本読んだはずなのだけれど…覚えていない)ここらへんはもう一度読む必要がありそうです。「夏子」とか好きな名前だなー私(さてそれは何故でしょう)。

 

No.7 (『蛇行する川のほとり』)

 そもそも、この記事の発端ってこの小説なんですよね。

dorian91.hateblo.jp

 多分私の名前の好みは、「香る名前」なのではないか。ここまで挙げてきて上手く言葉にすることはできないけれど、自分の好みの傾向があることはわかる。雰囲気が綺麗な名前が気になるのだと思います。

 ぶっちゃけて言えばどの名前にもどの文字でもイメージは漂ってくるけれど、特によく香る名前はわかりやすいし意味に幅を持たせられる。そんな気がします。名前に良し悪しなんてつけるべきではなさそうだとも思います。名前は本人にとっては無色透明であるべきなのかなとか云々考えますが、私は彼ら彼女たちではないので、この場でささやかながら愛でさせてもらいたいと思います。

 

No.8 水野理瀬(『麦の海に沈む果実』他)

 ええ、ええ。敬虔なる恩田陸作品の読者の方なら察しているかもしれません。意図的にこの名前は後ろに回しました。何故なら私のお気に入りの名前だからです。それが『麦の海に沈む果実』で登場する水野理瀬の「理瀬」という名前。

 「瀬」という漢字を書くのが好き。水をイメージさせるしどことなく落ち着いた名前で好き。この作品には「憂理」という少女が登場しますが「理を憂うのよ」と自己紹介していてそちらも好きです。逸れるけど「憂う」って動詞は難しい日本語ですよね。「憂う」ってどんな時に使うのだろう。私はあまり使ったことがないな。

  

 

  こうやって考えてみると、結構女性が多かったですね。別に女性の主人公が殊更に多いわけじゃない作家さんだと思いますが。

 案外抜けている作品も多かったので、もう一度読み直してみようと思います。