好きを語りたい。
これって、結構怖いことです。
私の好きなことが、他の人にとって「好き」とは限らないから。
私の「好き」が正しいことではないから。
「好き」が多数派であるばかりではないから。
「好き」と「我」が密接に結びついてしまうと、割と面倒くさいです。他人の言葉に耳を貸せなくなるし。なんか苦しいときもあるし。こんだけ「好きです」なんて、そんなことばかり言っていていいのかな、とも思うし。
「○○が好き」って言葉で自分が測られるようにも感じてしまう。それを言うなら、私のあらゆるものを通して、他者は私を測っているのだけれど。まあ、それが私なのだから仕方ないような気もする。それならば、少しずつマシになっていけばいい、そういう感じ。
何が言いたいって、「センス」ってのを測られるのは怖いな、ってことです。
私が今最も恐れているのは「洋服のセンス」、だな。
洋服はその人の好みを端的に示すツールである。ただ、私わからないのです。時折耳にする「センスがいい」って。なんだ「センスが悪い」って。センスの良し悪しは非常に感覚的なものな気がするのに、「センスがないね」とばっさり捨て吐くあなたは何が根拠なの?と思わなくもない。いや、多分根拠はある。私がわかっていないだけ。
ということで、私にとって「この服素敵~~~」と言うことは、「この曲素敵~~~」とかその他のことを愛でるよりだいぶ勇気がいることなのだ。勇気がいるのだけど、この際だから言わせてもらおう。
星野源さんの服、好きです。
厳密には、星野源さんの(曲である『夢の外へ』のMVの)服が、好きです。
その前に『夢の外へ』も好きです。
2012年の楽曲『夢の外へ』。これ、私の好きな曲です。
もう5年前になるのか、マジか、と驚きを隠せませんが、このぐらいの星野さんが好きです(今も好きだもちろん)。気楽で平常心で聴けるけど、なんかどこか毒があるところが。
…ダメだ語るとキリがないような気がする。今日はあくまで『夢の外へ』の服ですからね。
まず、この曲は、日差しがさんさんと降り注ぐ快晴の日に聴くのが良い。歩きながら、不審者と思われない程度に身体を揺らして聴くのが最高だと思う。星野さんがMVの中で踊るダンスも踊れたら、完璧だ。
音に「毒」はない。終始にこやかで前向きで夏らしい曲だ。太陽と青空を感じる曲、なのだけど…歌詞を見るとやっぱり星野さんだな、と思う。2つだけ引用させていただくと
夢の外へ連れてって
ただ笑う顔を見させて
この世は光 映してるだけ
「夢」という、閉じられた世界からの解放を歌う曲。「夢」ではなく現実を生きよと言ってそうだけど、「夢」に片足突っ込んだまま、生きてみなさいな、って感じだ。あくまで「夢」の存在を否定することなく、中和する。
意味の外へ連れてって
そのわからないを認めて
この世は光 映す鏡だ
うーん。深い…。読みほぐすのに力がいる予感がする。感覚ではすごいわかるような気がするけれど、歌詞の1つひとつを見つめていくと、難しくなる。そういうことを歌っているような気がします。
他者か自分か、現実か虚構か、どちらかに偏ることなく、というのもどちらが正しいということはないからであって、「真ん中を行く」という宣言の通りにバランスよく生きていこうぜ、ってこと…?現実と虚構は相対するものではなく、混ざり混ざって人間なんだ、という気もします。
が、どちらにせよ、音自体の前向きさが歌詞も乗っけて、非常に聴いていて救われる曲だと思っています。だから、好き。
ひとしきり感想を言ったところで、本題行きましょうか。
『夢の外へ』の服
星野さんと言えば、『SUN』とか『恋』で着ていたフォーマルめな衣装が記憶に新しいです。例えば
こういうやつとか
こういうやつとか。つまり、革靴が似合うやつ。素敵。
そういうのもめっちゃ良いと思うのですが、あくまで「魅せる」服であって、お洒落なのだと思うのです。なんというか…気力体力どん底の時に、私こういうかっつりした服着られるかしら?って思っちゃうのです。私がこういう服を着ることはないのですが。
ということで、気分どん底でも大丈夫な、ほっこり安心する私が激推しするのはこちら。
スーツの方じゃないですよ。向かって左の星野さんです。
薄い水色のパーカーに、白のプリントTシャツ、濃い色のズボンに目立つ赤茶の靴。
…最高です。
一見地味で「理系大学生の私服コーデ」と評されてもおかしくない気がするけれど、赤茶の靴をしっかり履いているところとかに、なんか心意気を感じてしまうのです。この靴星野さん私物かな。『知らない』のMVにもこれ履いていたけど。これにアコギが似合うんだな、また。もう全体的に好き。好きとしか言いようがない。むしろMVの中で登場しているから好きなのかも。普段自分のまわりにいる人がこういう服だったら(全然そういうことはあると思う)「つまらない」って思うのかしら。
服の好み、というのは考えてみればとても面白そうです。私は絶対お洒落な人間ではありませんが、きちんと考えて服を着ている人は好感をもてる気がします。そして、その人に似合うよう考えられたアーティストの衣装も。そういう意味で、K-POPにしろ他のものにしろ、服や小道具は好きなのかもしれませんな。
ビビッときた衣装の画像も集めてみようかな、と思った次第です。それは「私」に似合う服ではなく、着ている本人に似合う服という点でビビッときた服ですけれど。
そういや星野さん、過去から最新作までのミュージックビデオを集めた「MV集」を発売されるようですね。楽しみだなぁ…手に入れるかはわからないけれど。