根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【読書】『さびしすぎてレズ風俗に行ってみたレポ』を読んで

 今日は一日ぐずついた天気でしたが、夕暮れ時には空が真っ赤になって、どことなく神秘的でした。 

 

 さて。いきなりですが。

 

 「好きを語る空間にする」

 それがこのブログの大前提です。私には好きなものがたくさんあります。今はK-POPが好きです。あとは文房具も好きです。すっかり万年筆で書くことの楽しさにハマってしまいました。今は新しい筆箱に変えてルンルンです。ここのところご無沙汰だけど、また身体を動かしたいと思っています。それはそのうち。そして、本を読むことはもはや「好き」とかではなく「日常」です。習慣です。なので、色々なものが混在する場になっています。K-POP関連の記事のアクセスが多いと思っていますが、K-POP専門の内容ではないのでそのあたりはすいません。飽きっぽいので色々なテーマじゃないとブログは維持できないと思います。混在していますが、それも私という人間なんでしょう、何か1つに絞ることなどできないのだなぁ、と思っております。

 言いたいのは、K-POPをとにかく語りたいときもあれば、そうでないときもあります、ってことでした。おわり。

 

 

 今日は「本」について、です。

 この本はネットをウロウロしていて、偶然発見しました。最初に結論を言うと、私はこの作品に出会えて良かったと思っています。少なからず、救われたところがあると思っているからです。

 ん~、私は人に何かをおすすめすることが基本的に苦手です。このブログでの内容も誰かに勧めようと思っているわけではなく、この作品についても同様です。ですが、私のように偶然でもいいので興味がある人には届いてほしいし、中には救われた思いになる人もいるだろうと思って、書きます。

 

永田カビ『さびしすぎてレズ風俗に行ってみたレポ』

 タイトルがタイトルですが、この作品で注目すべきは「レズ風俗」じゃないと思っています。そこにかかっている「さびしすぎて」って部分が重要。この作品は、一人の人間が自身の内面に向き合い、内的世界を言語化しビジュアル化し、自分にとっての「甘い蜜」を見つけるまでの話、です。

 

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

 ブックカバーつけない派の私の悩みは、この本を電車で読んでいると「絶対誤解される」というよくわからない背徳感。特に、席の前で立ちながら読むと、目の前に座っている人の視線がどうしても気になる。

 

 読んだ感想

 いや~すごいな、と思いました。それが真っ先に浮かんだ。そして何度もこの作品を読み返したいな、と思いました。

 

 特に印象的だったのは「自分にとって親からの評価が絶対だった」という告白。

 自分という船のオールを動かしているのが、「自分」ではなく「他人」になっているような。行き先を示すのも他人で、そこまでの指示出しも親で。いや、オールを漕いでいるのは私だけど、その行動一々監督しているのが他人、みたいな。筆者がもがき続ける「10年間」の前にどういう生活をしていたのかは詳しく語られず、家族との関係も実際よくわからない。けれど色々な事情があって、筆者は「自分が何をしたいのかわからない」という状況に陥るわけです。

 全然他人ごとじゃない。笑えませんでした。いや、私もそういうとこあるんじゃん。今何したいかわかってないじゃん。

 

言語化・ビジュアル化

 この本がすごいのは、言葉が、絵が、的確だと感じられたところ。無駄がない。心の動きを端的に言葉で語り、絵で見せつける。筆者が「自傷行為」について語っているときに

 「不可視の心の痛みを言語化する事は時間と労力のいる作業だし、」(以下省略)

と言っているところがあったけれど、まさにその通りなのにさらに、筆者自身は自分の心の動きが丁寧に見つめ考え、言葉や絵として表現できるところまで落としこんでいるということ、それがすごいなと思いました。

 これは、小説でも漫画でも絵でも音楽でも色んな表現手段に言えることだと思っていますが、心の動きに形を作ることは「救い」だと思います。自分がよくわからなくてひたすらモヤモヤしている存在に、形が与えられただけでとても楽になる。わかりやすくなる。私にとってはそれが小説を読んでいてよくあることでした。なんかこう、心が締め付けられた時の「きゅうっ」という動きは、言葉にするとこういうことなのかな?と。だから私は本をこれからも読むと思うし、できれば自分の心の動きをきちんと言葉として表現したいなと思っています。

 

私にとっての「レズ風俗」

 筆者は

「自分で自分を大切にしたい」

「自分の気持ちをわかるようになりたい・・・!!」

と思った果てに、

 

「性的な事」ということに行きついたわけですが。

 

 必ずしも決定的な何かを見つけなくてもいい、といいますか。とりあえず自分の内面としっかり向き合い、自分の中の「他人」の声に惑わされず、自分が何を求めているのか見つめるしかないのかな、と思っています。筆者の「レズ風俗」がぶっ飛びすぎていて、私そんなことできるかしら?思いきれるかしら?ってなりますが、自分が望んでいる自分のためだけの「何か」を、私も、えいやっ!!!!ってやってみたいな、って思いました。

 

心が疲れた人に向けてかける言葉

 その、心が弱っている人・元気がない人へどう言葉をかけたらいいのか?という部分でも、この本は視座を与えてくれると思います。ほんとね、「頑張れ」とか傷口を土足でゴリゴリ踏みにじるだけの言葉なんだろうな~って。私も気を付けないと。

 

この本を読んで改めて

  • 自分の人生、自分で動かしていないなと思った
  • 何をしたいのか、考える必要があると思った
  • 表現の幅を知るためにも、もっともっと色んな本や漫画を読もうと思った

 

 

 私は、こんな感じです。pixiv(イラストコミュニケーションサービス[pixiv(ピクシブ)])

というところで、書籍化になる前の原稿を読むこともできると思います。興味があれば、ぜひ。

 

 こんな作品に出会えて良かったです。

 終わり。