根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【嵐】Carry on むかしばなし

個人的な感傷の話をしようと思う。

 

嵐の楽曲がサブスク解禁された暁には、まず『Time』を聴こうと思っていた。私がまともに聴いた嵐のアルバムは実はこれしか無いのだった。しかも聴く曲聴かない曲まちまちなものだから、当時の自分の、音楽に(ジャニーズに)対する関心の薄さが見え隠れする。

Oh Yeah!が一番好き。確かペットボトル飲料C1000のCMに使われていた。初夏のプール掃除。ホースからバシャバシャと水が飛び散り爽やかなアイドルの嵐、そしてさっぱりとしたC1000。タイアップとして申し分ない楽曲、広告効果は抜群で、10年ぐらい経っても覚えているのだから(の割にはC1000は買わないけど)CMのイメージはすさまじい。そして次に控えるは天下のLove so sweet。ラストの念押しのような「信じることがすべて 明けない夜はないよ 信じることがすべて Love so sweet」のパートが好きなのですけど、いざ文字起こしするとなんというか正論で苦手だなぁ(あのメロディに乗るからこそどうにかなる)と思ったりする天邪鬼。

そんなこんなで、幾つものタイアップ曲を抱える『Time』というアルバム。そのなかでもOh Yeah!を聴いたら次に聴くのはCarry on。前日の夜布団に潜り込んで眠りに落ちる直前に私は考えていた。前置きは長くなりましたが、Carry onという曲の話です。

 

当時、繰り返しよく聞いていた。あの頃は完全に病んでた感じがする。学生という時期は、今から考えるとどうにも閉鎖的で、鬱屈した感情が溜まりやすく(まあそういう時期だとも言える)今の自分のまま当時に戻ることができるなら戻りたい気もする。戻りたくない自分もいるけれど。なりたいこともやりたいこともなかったので

昔から明確な夢や目標がないので「夢を諦めるな」というメッセージが響かない。「夢を持つことの尊さ」「ある目標に向かい努力邁進することの美しさ」を歌う曲は、「そりゃあそうなのだけど…でもよくわかんないな」と、複雑な気持ちであった。がCarry onという曲は「夢を諦めないで」というようなことを歌うのと同時に、「明けない夜はない」「やまない雨はない」ということも強く主張していて、それが当時の私としてはちょっとしたコペルニクス的展開だった。確かにやまない雨はない。そういえばこの「やまない雨はない」という表現は、今思えば梅雨や秋雨を経験してないとなかなか難しいのかなぁ、どうだろう。そりゃあ雨は止むと思うけど…それは常識ではないような気もする。ある程度の期間雨が降り続いたからこそわかる太陽のありがたみと眩しさがイメージできるとより実感できる言葉かなぁ…(熱帯地域の雨の降り方はスコールだときくので、私はもっと短く何というか刹那的なイメージを持っている。もしくは空の気まぐれ?)話が逸れた。やまない雨はないらしい。そうか、ではもう少し生きるか、よくわかんないけど。そんな気づきを、私はこの曲から得た。具体的に何かになりたいわけではなかったから、今自分はよくわからない着地点で生きているけれど、とりあえずは消えずに生きていけてる。

 

そして10年以上経って私はこの曲を改めて聴いたわけだけれどどうだろうか。聴き方は変わったと思う。昔ほど何かを意識して追い詰められてるわけではないから、この曲を聴いてもう泣いたりはしない。夜が明けることは知っている。というより、真っ暗な闇の中でもがくこともそれなりに…経験になる?エピソードになるというか、そういうものであるだろうと思うようになった(でないと私はそれを乗り越えることができない)。そう、夜が明けるということは教えてもらった。だからもう明けても明けなくてもいいか、と思うようになった。それは「夜はいつか明ける」と確信が持てないとありえない考え方だから、やっぱりCarry onという曲は私にとって印象的な曲なのだと思います。

何が自分にとって大きな存在になるのかは、本当にわからんなぁ…と思う。まったく予想だにしてなかった未来が広がっているのだから、不安になりながらも生きたらいいのではないか、と思う。

あの頃とはまったく変わり音楽を少しずつ聴くようになったから、これからは時々だけど知らない嵐の曲を聴こうかなと思います。昔はジャニーズが苦手だったんですよ、びっくりびっくり。

Carry on

Carry on

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