根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【IU】私もパレット持ってるわ/IU『Palette』

I like it. I'm twenty five 

 別に初めて聴くわけではないのに、この歌詞に衝撃を受けたのは今年最後の出勤日、仕事納めのきりりと寒い朝のことでした。

 いつのまにか25歳どころではなくなってしまって、まあそのこと自体は「そういうもの」だし別に構わないのだけれど、なんだろう、この衝撃。私は何に衝撃を受けたのだろう。そう、そこに焦慮とか自虐とかが一切ない、ごく自然にぽつりと出てきてしまった「私はそれが好き」で「私は25歳」だから、私は多分衝撃を受けたのではないか。だって、私が自分の年齢について言及する時は余計なものがどうしても絡みついてしまうもの。

 同い年の旧友たちと集まるとき、どうしても人生の話題になってしまう。仕事の悩み、結婚・出産、そのうち子育ての話題になるかもしれないけれど、私は自分が明確な人生設計を描いていない分それらの会話についていけなくて複雑な気持ちになる。私は、年齢よりずっと幼く未熟なのではないか(だとしてそれがどうなる?という自己ツッコみもあるのだが)私は他の人よりずいぶんと「遅れている」のではないか。そういうことを考えながら、IUの『Palette』を聴く。「Hot Pinkより濃い紫の方がもっと好き」と私も言いたいよ。あなたたちとそういう話がしたいよ。それが幼いということなら大人になんてなりたくないよ私、って思ってしまう私はやっぱり幼いのだろうか。

 幸いにも、私は学生時代より社会人になったほうがずっと息がしやすい。私の人生、まだ始まったばかり。と、まあ甘いことを言っているが、本当に、年々ちょっとの新しいことができているような気がして楽しかったりする(落ち込むことも当然ある)。

 色んな人の人生があって、それらと自分を比較して、モヤっとしたとして。そういうときはこの曲を聴きたい。「私、こんなことあったよ」「こんなことしているよ」という土産話ができなくても(あんまりそういうことが上手く伝えられないし他の人の話を聞いている方が圧倒的に楽だ)私には好きなものがあって感動したことがあって嬉しいことがあって(それと同じくらい悲しいことやわからないことがあって)何もないわけではないことを、思い出したい。