根津と時々、晴天なり

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【映画】濃い/『海獣の子供』ごく簡単な感想

 ラストシーンが終わって、映画館の照明が徐々に明るくなって。まず私が思ったのは「何故、今、私はこのふわふわの座席に座って目の前のすっかり暗くなったスクリーンをぼんやりと馬鹿みたいに眺めているんだ?」であった。さっきまで私は海の中にいたのに。海岸通りに家々が並ぶあの町にいたはずなのに。

これが『海獣の子供』という映画のすべてである、と思う。少なくとも私にとっては。

 ずっと見たいと思っていた。映画館で見るか、見ないか。その二択しかなくて、つまり家でレンタルDVDで見るなら、なんとかロードショーとかで放送されるくらいなら、ちょっとお金払っても映画館で見たるわ。そんな気持ちだった。

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 「考えるな、感じろ」という感想は、もしかしたら安易なのかもしれない。でも私はあまり考えずに見てしまったな。海は大きいな。海は怖いな。知らないことがたくさんあって、だのに「知っている」と思ってしまう人間はやはり傲慢だな。江の島らへんに行きたい。水族館行きたい。世界は濃い。感想を書くとすればそれぐらいなのです。

 『海獣の子供』を見終わると、青空が妙に綺麗に濃く愛おしく思えます。これは本当。うきうきしちゃって、映画館が入っているビルを出てスマホのカメラでパシャパシャ街を撮ったのはここだけの話。