根津と時々、晴天なり

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【ツルネ】お前ら人間に執着しすぎ。/アニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』感想

第4話までゆっくり見て私はぽつりと呟いてしまいました。

「お前ら、人間に執着しすぎ」

10月から始まっているアニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』を見ています。

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『ツルネ』は弓道部の話

アニメ『ツルネ』は高校弓道部の話です。アニメ『Free!』や『けいおん!』を手掛けた京都アニメーションが作るアニメ。気にならないはずがありません。

私はアニメ『氷菓』や『響け!ユーフォニアム』が好きだったのでその延長線で今季はこのアニメしか見てないです。

弓道については本当に何も知らないけれど、アニメを見れば見るほど奥深く単純に「スポーツ」と形容していいのか躊躇ってしまうところがある競技だなと思います。

第4話では大会で団体戦に出場するために「模擬戦」と称して部内で練習試合をするのですが、その時の決まった「型」が丁寧に解説されていて面白かったのです。射位(矢を射る場所?)に立つまでにもどうやって入場して準備して、いちいち(いちいち)やり方が決まっていて。その所作がとても厳かで凛とした描写だったのでグッときました。かっこいい。かっこいいと思わせる絵がかっこいい。

 

人間として出来すぎている

アニメ含むフィクションだとそういうことが起こっても不思議ではないし、むしろ私はそこを楽しみに見ているんだろう?という気もしますが、人間として出来すぎている登場人物たち。「出来すぎている」というのは有能・優秀・人格的欠点がないってのもあるけれど「説明しやすい」というのが大きい。おっちょこちょいなムードメーカー。秀才タイプで聡明。ピエロタイプだけれど実はよく人を見ている。短気で直情型。寡黙で内省的。あー。言葉にできちゃう。優しい問題。それでいいの?とモヤモヤしつつ、そのわかりやすさがありがたく、わかりやすいからこそそこに拘って妄想だけがどんどん加速していく。アニメが好きでアニメが嫌いでアニメがやっぱり好きだ。

ということで、キャラが人間として出来すぎています。『ツルネ』ではメインキャラクターが5人いて、それぞれ異なるタイプ、性格が違うしどれも譲らないから(譲っているようでそういう「譲れる」性格は譲らないから結果的に譲れていない遼平君とか最高)毎度喧嘩しているし毎度仲が良い(今のところ「仲が良くなくて団体戦大丈夫?」という展開だけれど、喧嘩できるだけまだ全然マシ。無関心が好きの反対だよ)。

 

欠点も出来すぎ

『ツルネ』は単純な5人の男子高校生のワイワイキャッキャを視聴者がドアの隙間からちらちら眺めて「うっわ可愛いいいいいいい」と顔を赤らめながら見る、みたいな見方もできるのですが(そういうのも好きである楽しい第4話では小野木が猫飼っているのが可愛かったです)それ以上に、5人が人間として出来すぎるがあまり欠点も出来すぎているところが楽しいです。

湊は生真面目すぎて内省的であるがあまり、自分の殻に籠って出てこなくなっちゃう、誰も僕の部屋には入らないでくれってタイプなのがイライラして好き。

静弥は病んでいるのに一般的には秀才でエリートできっとモテるけれど実際超面倒くさいやつというか怖いよストーカーだろ湊湊湊湊ってどうしたんだよお前?というすごい子なので好き。あとは弓道の時だけ眼鏡外してめっちゃかっこいいって2次元かよ(※2次元です)

遼平は5人の中では一番楽で安心できる率直正直おっちょこちょいな子で、本人は悪気が無いけれど性格自覚しているし直そうとしているのに全然直ってないところはイライラして好き。いいんだ開き直れようじうじしないで遼平はそれでいいのに何で落ち込んじゃうんだよってテレビに向かって叫んでいる私。

七緒は湊と同じタイプで他人に心開かなそうなのに一見明るくひょうきんに振舞っているってところがたち悪い。でそういうところ指摘すると口が達者であっけらかんと開き直る感じがして最高にイラっとする。僕って一生懸命になれないんだよね、とか言うんじゃないだろうな。

海斗は本当に学習しない!!!ってシンプルにイライラするけれどさっぱりはしているからまあ良い苛立ち。でも君の意固地で細かくてこだわり屋さんなのに直情的なのは明らかに周りに影響与えているところは自覚しろマジで。

と、イライラするところ書いちゃったんですけれど、そういうイライラするところが含めて楽しいっていう不思議なアニメです。面白い。

 

人間に執着しすぎ

そしてそれぞれがそれぞれに執着しすぎなのもすごいアニメであります。

湊と小野木はマサさんに、静弥は湊に、七緒がいつまでもいとこの小野木遼平とつるんでいるのかも謎。人との距離感は上手いけれど逆に誰に対してもおんなじ距離感になっちゃう遼平はそれはそれで落ち込みそうだし。手に負えない。

人間って人間にこんなに執着するものなのか、とアニメを見ながらしげしげと考えてしまうのです。恋慕とはまた異なる執着だと思っていて、本人たちはそれを自分の中で自覚はしていないんだろうなぁ…周りも指摘しないし。この執着度合いが私からするとかなり顕著というか「異常」に思えちゃって、そこがこのアニメから目が離せない理由の1つなのかもしれません。んー。不思議だ。まだ4話しか見てないのでその点は考えていきたいところだけれど、マサさんが登場して5人の相関図が一気に乱れて面白くなってきました!!!という感じですね。当のマサさんは本人がやや抜けているお兄さんって言うのもありこの冷たい火花飛びかうところに加わることはないのでしょうけれど、マサさんに対する5人それぞれの感情を整理してみると面白そうですね。七緒とかどう思っているんだろう。

と、冷めた目で私は妹尾ちゃんはじめ女子弓道部の女の子たちになって彼らを見たかった人生だった。女の子たち精神的に安定しすぎて、いや、彼女たち主人公に別アニメ作ってよ女の子たちの青春見せてーーーーってなってる。3人というシビアな数字(大体3人でグループになると2対1になって私は絶対1になる人間)なのにちゃんと3人で仲良くしているよう風舞高校弓道部のperfumeなの?そうでしょ?

 

疲れた。

 

人間よりも人間らしくやっぱり人間ではないけど青春群青劇である『ツルネ』は、しばらくは私の楽しみの1つになりそうです。

 

あとOPが好き。

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これは良い選曲だ…OPの映像もとても素敵なのです。