根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【ドラマ】『ブラックペアン』第9話を見終わった勢いそのままで書かれた文章

『ブラックペアン』はエンターテインメント。こんな言葉が今の私の頭の中には浮かんでいます。私にとって素晴らしいと思えるコンテンツは、その定義がまだまだバラバラですが「物語への没入感がすごい」というのはもしかしたらその定義に加えてもいいかもしれません。感動や面白さ、楽しさを味わえるコンテンツは総じて「私が夢中になれる」ことが多いのです。そういう意味では、『ブラックペアン』は素晴らしいドラマなのではないでしょうか。

アドレナリンがドバーっと分泌されたような状態でこの文章を書いています。第9話、面白かった。スリルがあったし何度も叫びながら(色々な意味で)久しぶりに興奮しました。

私はオタク気質な人間なので好きなものは何度も何度も味わう傾向にあります。好きな小説は何度も読むし好きなアニメやドラマも何度も見返します。ドラマ『SPEC』の主人公の女刑事・当麻の餃子の食べっぷりが特に好きなのでいまだに第1話の冒頭15分ぐらいだけ見ることがあります。「シュレーディンガーの猫、ウケる」。映画『コクリコ坂から』の冒頭10分もいいですよね。朝ごはん食べるシーンまで。冒頭10分しか見ていないから本編後ろの方はまるで覚えていないという本末転倒ぶりですけれど。

話が逸れました。何が言いたいって、最終回の内容次第ですけれど、『ブラックペアン』は多分何度も見返す作品ではないのかなと。あくまで自分的には、ですけれど。一期一会の衝撃というか破壊力が何よりも持ち味というか。渡海先生の罵声・怒声シーンや、「ありえんだろ!!!」とツッコみたいけれどいいんですだってフィクションだものなストーリーや世良先生の成長や今回の話ではいつ登場するんだい?な猫ちゃんや高階先生の実直さと意外に世渡り上手でイライラさせられるところとか。こんな楽しみ方、一度知ってしまったら二回目は半減してしまう。「知らない」という可能性はここまで素晴らしいことなのだなと『ブラックペアン』を見て私はしんみりとしています。可能性って、素敵。「知らない」って、無敵。

『ブラックペアン』面白いのです。もう最終回ですけれど興味のある方はぜひ。

前提として、私は嵐の中でも二宮さんが好き、というのがまずあります。二宮さん好きです。実は全編見ているわけではないのですが『流星の絆』でちらっと見た二宮さんの演技から魅かれた人間です。あとはバラエティでも二宮さんの言語センスすごいわぁ…と毎回思っている人間。頭の回転が早い人だなというのがその印象です。そんな二宮さんが出演されている時点で私の中の『ブラックペアン』への期待度が高いことはわかるかと思いますが、ドラマ自体も面白かったのです。びっくりしました。

『ブラックペアン』が良かったのは、話のテンポが早いところ。医療ドラマ特有の「お決まり」な展開ではあると思うのです。『ブラックペアン』は「口だけは達者で技術は未熟な医者がわはわは言いながらふんぞり返る→患者が急変してその医者があわあわする→渡海先生が患者を助ける→渡海先生が医者を脅す(怒鳴る他)」でできています、大まかに言うと。そこに理事長選を見据えた大学同士の対立や点数稼ぎ、最先端の手術機械導入による機械と人間の対立など様々な要素が絡まりあう内容。「んな馬鹿な」や「佐伯先生や渡海先生頼みのこの医局ほんとどうにかして」というツッコみもあるにはあるのですが、茶々を入れるのが楽しくなるぐらい話の進め方が早く、面白いと感じる。てきぱき進むので怠いなと感じることがない。引き合いに出して申し訳ないですが、例えば『ドクターX』はもう少しスローだと思います。あのドラマはテレ朝長寿ドラマのほのぼのとした型を備えつつあるドラマになっているので、他刑事ドラマと似たようなテンポなのではないかというのが私の感想。

話のテンポの他にすべてのキャストが個人的にはぴったりハマっているのが良いのです。人間として好きになれるかというのはさておき、登場人物としてすべての人物に愛しさを感じられるというのは登場人物たちのキャラクターが立ち上がっているからです。私は世良先生が良いなぁ…と思っています。「ドラマが進むにつれて成長する世良先生」がそのまま描かれているのが良かった。演じる竹内さんの力もドラマと共に強くなっていたので。これ、そこそこ演技経験がある若い人を起用したら今感じている魅力が減っていただろうなぁ…と思うのです。竹内さんの演技が下手だったと言いたいわけではなく、竹内さんと世良先生のボーダーがあまりにもなくて。はまり役でした。

あとは医療コーディネーターの木下さんも良かった。もう声に艶があるので満点。敵味方を選ばない、どちらの陣営にも入り込み情報屋っぽく立ち振る舞う。何を信念にしているのかどんな経歴の持ち主なのかよくわからない美人医療コーディネーター。木下さんのエピソードを加えたことで人間味が加わりその後の物語では彼女を見る目が変わるってところまで、きっと織り込み済みの設定です。病院で働くお医者様や看護師は、人命を第一に考えて(第一に考えていない医者が結構ドラマでは出てくるけれど)いるのでなりふりかまっていられないところがあるのですが、木下さんはツンと澄ましてしなやかに優雅に飄々と立ち振る舞っているのが目立っておりました。

どの登場人物のこの部分が良い!!!ってのはそれこそ一人ずつ言えるのがですが、疲れるので割愛します。

『ブラックペアン』の見どころの1つは間違いなく渡海先生の罵声と怒声です。「さっさとやれよぉ!!!」は2018年度私的流行語大賞にしたいくらい。渡海先生、よく言っています。毎回叫んでいます。そりゃあ渡海先生がイケメンで有能な医者だから、だと思いますが渡海先生の罵声や怒声を楽しみにしている自分がいます。現実世界で人に怒鳴られるのが大嫌いな私なのに。コミュニケーションの手段として怒鳴る人は何がしたいのか理解できないし私の目の前から消えてほしいって思うのに。いや相手を委縮させる、自分の言い分を通すという目的で怒鳴るという手段を選択しているのはわかるのですが、他にも手段はあるのになぜ「怒鳴る」という行動をとるのかが理解できない。さっぱり理解できない。理解したくもない。渡海先生の「さっさとやれよぉ!!!」にそこまで不快にさせられないのかと考えたところ、別に個人を攻撃する意図はないからではないか、と思いまして。「頑張れ」と同じですね。無色透明な叫び声。

私が働いている空間で私と個人的に接点はない人なんですけれど、めちゃめちゃ高圧的に部下の方を怒鳴る人がいるんですね。私は不快で不快で仕方がないのですが、その人の怒鳴り声には「呆れた感情」とか「粘着質」な味が混じっているんですよ。本人はそんなものを込めていないのかもしれませんが、受け手(正確には赤の他人の第三者)である私はそう感じてしまう。ただ渡海先生の罵声・怒声には人を愚弄する意図は混じっていなくて、まっすぐなのだろうなと。めちゃめちゃ高圧的なAさんはあんかけみたいで、渡海先生はおろしポン酢でいただく冷しゃぶ、って感じです。あんかけってどうしてあんなに熱いんですかね。なかなか冷めないしねちねち口の中をいじめてくる。粘着質だなーと思っています。もちろん、あんかけも冷しゃぶもその食べ物自体は好きです。

一体私は何を言っているのだ。

・・・。

 

大体言いたいことを書いたので終わりにしたいと思います。

あんかけとか一体私は何を言っているのだという気持ちですが、『ブラックペアン』楽しいですぞ!!!という文章でした。