根津と時々、晴天なり

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【映画】なんか楽しくなってきた/「カンフー・ヨガ」を観に行ってきました

Twitterで「カンフーヨガ」と検索すると、何か魔物に魂吸い取られたかのような虚無を語る感想がゴロゴロしていたので、気になって観に行ってきました、カンフー・ヨガ

kungfuyoga.jp

 

カンフーヨガを見た人の感想が悉く面白くて、「一体何が起きているんだ…」って感じです。さながら気分は、ドラマSPECより、独房で困惑している千里眼(正確には違うけれど)をつかさどる男・桂小次郎の気分です。一体何が起きているんだ。

 

観終わった後だと、それらの感想どれもに賛同できるのですが、今から観ようと思っている人はできるだけネタバレ無しで新鮮な気持ちで見てほしいです、個人的には。「あーこれがあのシーンね...ふふふ」と思うのも悪くないのですが、まあ、知らない方が楽しいと思います。

 

ネタバレ有無で感想を分けるので、とりあえずここでは内容に触れず感想を。

 

すっごく楽しかった。

 

いや、そうでもないかもしれないけれど、そもそもエンターテインメントをそのまま受け止めることができない(ひねくれているから)、というか斜めから物事見たがる私としては、映画とかドラマとかを見て「楽しい」と素直に思えるのって珍しいのです。色々考えて「楽しい」というのはよくありますが、何も考えず「楽しい」と言えるのが珍しい。

その点、カンフーヨガは、思考が追いつかなくて結局考えるの諦めて「わーたのしー」という感じの映画でした。なので観終わった後は超ハッピー。とりあえず細かいこと気にすんな、と後押しされたような、頭の中の余計なものが排出されたような、そういう爽快感がありました。これは気の合う人と観に行って感想を語り合いたい映画。

 

が、これを人に勧めるとなるととても難しい。自分は楽しかったけれど、1800円で観て?とは強く推せない。でもDVDで観たらきっと面白くなくなるから劇場で観てほしいのだけれど、でも1800円は…。いや、私は観てよかったし後悔はしていないのだけれど、自信をもって推せるかと言えば間違いなく推せないので、そこら辺汲み取って、なんとなく憂鬱な人は観に行っていいと思います。嫌なこと忘れられるよ(なんだかドラッグを勧めている感じがする...)

 

「カンフーヨガ、キメてくる」という文言の通り、これは薬のような映画です。でもちゃんとしたエンターテインメントだし、悪いことしてないし、副作用もないと思うので(数日この映画のことについてぐるぐる考えてしまう、謎にハマるetc中毒性はあるかもしれないけれど)観に行くのはアリだと思います。

 

ネタバレではないと思いますが、感じとしては映画「ダヴィンチ・コード」や「天使と悪魔」でおなじみラングトン教授(トム・ハンクスが演じている)がカンフーを身に付けて、古の謎に迫る!というイメージで大丈夫だと思います。なーんだ、カンフーヨガってダヴィンチコードと大差なくね?と正直思ってしまった私がいる。映画関係者に怒られた方がいいかもしれない。ま、まあ...ダヴィンチコードの方がもっとシリアスで扱う題材もうさん臭く無くて丁寧に説明してくれてくるけどね、、、へへへ。

 

ということで、ネタバレ抜きの感想はここまで。

ここからは、映画を見た上での感想をだらだらと書くよ!だって、楽しかったんだもん。

 スケールのでかさに圧倒された

私は途中から入場したので、最初からきっちり観たわけではなかったのですが、まず劇場に入って目に飛び込んできたのは象の大群でした。いやー。いきなりの象は理解不能だったし、よく見たら映像がぬるぬるしているし、あ、これCGじゃん、ジャッキーどこ?ってなって5分くらい完全に映画から突き放されました。その後ちゃんと事情は理解できましたけれど。

その後にも、崑崙山脈や砂漠、ドバイ、インドなどなど。とにかくスケールが大きい。私は「こ、これが大陸か...」と思いました。このスケールのでかさは邦画じゃ考えられないというか。もう身体の根っこに刻まれたスケールの大きさなのだろうなーと思いました。

 

これが、EXOのレイだ!!!!!!!

この映画、実はEXOのレイさんが出演していまして...。どうせ大した役じゃないんだろ...とか思っていたら大間違い。ジャッキーの助手として大活躍しておりました。レイさんって実のところよくわかりませんが、「天然」とか聞きます。この小光(シャオグァン)という青年もどこか抜けていて憎めない青年ということで、楽しんで観ることができました。が、ところどころで「これって小光くん居ないとおかしいよね?」という場面で、彼の存在を確認できなかったあたり、あー過密スケジュールの中の撮影で参加できなかったのかしら...なんて。特にラストの決戦の舞台とか小光くん居なかったですよね。エンディングだけキレッキレのダンスで登場とか不自然だろ!っとツッコむのがなんだか虚しくなってくるのが、この映画の素晴らしいところ。またそのダンスがEXOのレイさんで、嗚呼...尊い、となりました。

 

銃が出てこない微笑ましい世界

歴代のカンフー映画を観てきたわけではないのであれですが、カンフーと銃って相性悪いんですかね。それとも中国やインド映画ではそんなに銃って出てこない?アメリカのような銃社会ではない?というのも、カンフーヨガでは確かに敵さんは銃を持っている人もいるし銃を撃っているシーンもあるのですが、基本的に体術やナイフを用いて攻撃しようとしていて、それが印象的でした。カンフー映画だから、ちゃんと拳と拳、体と体でお互い戦っていました。カーチェイスもあったけれど、、、あれはカンフーではないよな...。

 

テンポ

途中、進み具合が悪くてまったりしてしまったところもあったのですが、舞台がコロコロと変わってそれが当然であるかのように、堂々と話が進んでいってそこも面白かったです。なんでドバイに舞台が移ったのか、この人誰なのか、一切説明する気がなくて理解が追いつかないところとか最高でした。

 

知恵と知識が人間を豊かにする!

この映画は、古代の宝を私欲のために(私欲なのだろうか。結局敵が宝を奪おうとしている理由もよくわからなかったな。敵さんには敵さんの事情があるみたいだった)暴力的に奪おうとする奴らと、その敵から宝を守ろうとする学者(ジャッキー)との戦いの物語なわけですが、最後の方で学問的に貴重な古代の宝を知ってか知らずか乱暴に扱う敵さんに向かって、ジャッキーが「知恵と知識が人間を豊かにする!」(=金が大切なんじゃないんだ!)と言い切るところが自分としては結構じんわり来ました。確かに知恵と知識は人間を豊かにするし、救いもすると思う。世の中のこと知っていた方が絶対いいよなーと。その後に、王女様がその貴重な宝である木簡で敵さんの頭叩き割ったのはめちゃめちゃ笑ったけれど。王女様あなただって「これ(木簡)は医術について書かれているわ!」みたいなこと言って感激してたじゃないか...。

 

この映画、わからないことだらけでありますが、一番納得いかないのは、財宝求め大地が凍る崑崙山脈に足を踏みいれたシーン。財宝の調査を行っているときにジャッキーが狼を前にカンフーをお宝ハンターに教授するシーンなのだけど、あれ、狼の存在ってなんだったの。狼が現れてあら危ない退治する?という流れは辛うじてわかるとして(退治する?という流れは、多分これがジャッキーなんだなと思って理解することにした)退治する?っていう流れのはずが狼を前にカンフー教室始めて狼はその授業の一観客でしかなかったし、最終的に狼をカンフーで倒すことなく拠点に戻ったし、じゃあ狼なんだったのってなるし、ここが一番よくわかりませんでした。やっぱり狼いらなかったよね。

 

エンドロールの虚無

 この映画はエンドロールまで面白かったわけですが、なんであんなにエンドロールがたっぷりなのかわからないし(これが大陸か…!?)なんで途中から無音になるのか最後までわからなかったです。困惑。そういうところが、この映画を愛すべき理由なのだろうな。でも本当に無音になった真意は教えてほしい。なんであれでOKなのだ。

 

 

色々あるけれど最後はやっぱり...

 ツッコミをするとキリがないけれど、やっぱりこの映画はラストで敵味方含めみんなで踊るところがハイライトでした。カレーとラーメンはおいしいんだから合わせちゃいなよ!という例えは見事でして、カンフーとインド映画の良いところ合わせちゃいなよ。そして、足したら割ることなんてしないよ!そのまま、そのまま!という潔さ。

インド映画もそういえば観たことがないのですが、ラストは圧巻でしたー。ジャッキーが笑っているし、他の人も楽しそうに踊っているし、そうだ、そうなんだよ、人生ってそうだろう?細かいところ気にしないで笑いながら踊ったものがハッピーなんだよ!と背中を押された気分になりました。その点、私はこの映画観てよかったなと思いました。ラストを想像しただけで、変な笑いがこみ上げてきて、劇場を後にしてからもしばらくニヤニヤしていましたもん。

 

 

ということで、カンフーヨガの感想はこれにて終わり。本当はまだまだ言いたいこと、ツッコミたいところたくさんあるのですがこれぐらいにしましょう。

自分の住む地域しか知りませんが、1月初めの時点で既に時間帯が微妙な劇場が多い印象だったので、公開が終わる前に気になる方は観に行った方が良さそうです。

 

 

以上、映画「カンフー・ヨガ」を観に行ってきました。

なんだが、人生楽しくなってきた。

 

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