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根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

じわじわくる、ということのありがたさ ―アニメ『ACCA13区監察課』を見た―

 この冬、もっとも楽しみに観ることができたアニメは『ACCA13区監察課』と言っていいだろう。と言っても、私がこの冬に最後まで観続けたアニメは『3月のライオン』と『昭和元禄落語心中』と『ACCA』なので母数がそもそも少ない。以上に挙げた3作品は、最後まで観続けることができたアニメであった。

 この3作品は最後まで見続けることができるだけの「理由」があった。途中で中だるみせずテンションが下がらず観ることができたし、話自体も感動できるものだった。嫌いなキャラクターがいないし、みんなハッピーだった。

 この作品たちがいたから、私はこの冬を生きることができたといっても過言ではない。1週間のささやかな楽しみが終わってしまい、私は次の生きがいを探さなければならない。水曜日(録画した『ACCA』を見る日)と土曜日の朝(起きてまずやることは朝食を食べることと『落語心中』を見ること)と日曜日の朝(土曜日を同じだけど見るのは『3月のライオン』)は確実にちょっといいことがある曜日になりました。

 それで、この3作品から一番のアニメを選ぶとするならば、『ACCA』なのではないか?と思って、私はこれを書いています。『ACCA』最高。『3月のライオン』も『昭和元禄落語心中』も大好きだけど、『ACCA』が最高。なんでかって?多分一番落ち着いてゆったり見ることができるからだと思う。この「じわじわとくる感じ」ってのが、『ACCA』最高!となる理由であり、これからもこういう作品があるといいな、と思うところである。

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TVアニメ『ACCA13区監察課』公式 Twitterより

 

 

 

じわじわとくる『ACCA』とは対照的に思えた作品

 『ACCA』について語る前に、この冬盛り上がっていたドラマ『カルテット』を引き合いに出したい。ドラマ『カルテット』は、私的には『ACCA』について居心地よく感じるところとは対照的な部分が魅力だったような気がしている。なんというか、『カルテット』は一話一話の見ごたえがありすぎたのだ。毎回メインディッシュ、みたいな感じ。毎回400gのステーキ級の噛みごたえ抜群の料理を出してくるのに、さらにラストに向けて味も量も濃く、多くなっていくような、どこにそんな力があるの?と思わんばかりの、パワー級ドラマであった。一話一話のエネルギー消費量が大きいため、私は1週間というブランクですら内容を消化をするのには足りない時間となってしまった。ということで、4話以降見なくなってしまった…(話は追っていたけれど)悲しい。でもDVD欲しい。

 

ACCAのじわじわ感

 『ACCA』は対照的に、じわじわくる系のアニメだ。スロースターターであり、ラストに向けて徐々に加速していく。しかし、土台はしっかりと固めているので、最後になっても空中分解することなく見事な終わり方をしてくれた。素敵。正直、最初アニメを見ていたときは超面白くないと思っていた。ジーンという主人公はパッとしないし、彼が監察官として国内の各支部をまわっていくのだけど大した事件は起きないし、このアニメこのままのテンションで続けていくのかしら?面白くなるの?って思っていた。思えば、序盤は「ちょっと物足りない」ぐらいの仕上がりでよかったと思う。見る際のエネルギーが少ないから片手間でなんとなーく見ているうちに、あれ、これ面白くない?え、続きちょっと気になるんですけど?と、沼にハマってしまったのだった。 

 ACCAのじわじわ感でポイントとなるのは、私は「ローマ字表記」でした。多分、視聴者さんはみんな突っ込んだと思う。このアニメ、音楽も背景もお洒落なのに、作中出てくるローマ字表記が残念で個人的にはツボだった。国王様の誕生日を報じるニュースの字幕は

Kokuouheika 99 saino tanjoubi

―テレビアニメ『ACCA13区監察課』第1話より―

 

という、恐ろしいくらいのローマ字表記。

 監察課の部屋の表記も

KANSATSUKA 

―テレビアニメ『ACCA13区監察課』第1話より―

 

 これなんでローマ字だったのだろう?よくわからないけれど、確かに作品の雰囲気としては日本語のひらがな、漢字よりも、アルファベットが似合う。英語にしてしまうと意味がわからなくなってしまうし、その補足として和訳を並べてしまったら意味がないから?毎回のお話に登場してくるローマ字表記が、ちょっと面白かったな。そこもじわじわポイント。 

 じわじわポイントその2は、豪華声優陣が揃っているところ。『ACCA』というアニメは声優さんが豪華で、その声も落ち着いていたところも良かった。五長官というラスボスっぽい人たちが出てくるのだけど、かっこいいおじ様ばかりでしたし、耳が幸せって言いたくなるイケメンボイスの方々ばかり。また、『ACCA』は女性キャラが著しく少なく、数少ないメインの女性キャラ2名もしっかりしていて、私の反感を買いにくい感じのキャラクターでした(そ、そんな女の子キャラに目くじら立ててはいないけれど、さ、やっぱり苦手な女性キャラもいるのだ)。

 じわじわポイントその3。派手ではないがお洒落なストーリー。結末まで知れば「なーんだそんなこと」と思わずにはいられないけれど、最後の最後までどう決着をつけるのかわからなかったストーリーがお見事でした。本当に素敵な着地点だったと思います。敵キャラのような存在も出てくるアニメですが、その人たちですら大した懲罰を受けない「みんなが基本的に幸せになるストーリー」だったのも大好きです。それが為せるのは、感情の浮き沈みが激しくない感じの主人公ジーン君や、広すぎる器の広さを持ちながら、賢い妹のロッタちゃんはじめ、「できた大人の人たち」ばかりが登場するアニメだからだと思います。素敵。

 

アニメは基本的には毎週見るもので、まとめてみることもあるものだから

 こういう『ACCA』のような落ち着いてはいるけれど、見ごたえ抜群のアニメというのは本当に目に優しいと思いました(と言いつつ他のアニメも好きだけどね)。疲れているときは、アニメすら見るエネルギーがない系の人間なので、塩加減がちょうどのあっさりめアニメはありがたいのでした。

 こう考えると、派手な見ごたえ抜群のアニメを好いていたけれど、あっさりした良い作品にも興味が出てきました。春アニメも始まりますし、また長く最後まで見続けられるアニメに出会えるといいな、なんて思いましたとさ。