根津と時々、晴天なり

大好きなものをひたすら言葉を尽くして語りたいブログです。

【ドラマ】私は消耗した、そして ―ドラマ『カルテット』第1話を見ました―

 ドラマ『カルテット』を見ました。

 

www.tbs.co.jp

 「恋ダンス」が流行りました(?)前クールの『逃げるは恥だが役に立つ』の枠で、1月から新しく始まったドラマ『カルテット』。気になって「試しに見てみっか~~~」と気軽に見始めたら、なんか体のあちこち刺されたような痛さを味わう羽目に。見終わって最初に思ったのは「ひ~疲れた」でした。なんかジェットコースターのような第1話だったな。これは、すごい。生半可な気持ちで見ていたら、結構傷を負っちゃう人多いのでは?私は生傷ばかりこしらえて帰ってきました。それとも皆さん無傷で生還できる感じなのかしら…。

  私にとって、この『カルテット』というドラマ、見ていてとても「しんどい」ドラマです。見ていてとてもつらい。すっごい疲れた。でも、同時にすごい面白いと思いました。ただただすごいな、と。どの点をすごいと感じるのか、自分でもまだわかっていないけれど、すげーな、と。この先どこまで私が付いていけるのか予想できませんが、体力気力とモチベーションが続く限り、追っていこうと思っています。

 

 三角パックの飲み物

 小道具大好き人間なので、このドラマでも「小道具」気になりました!

 まず満島ひかりさん演じる「世吹すずめ」がよく飲んでいる三角パックの飲料。なんで三角なわけ?って言う、読者のツッコミ待ちの形状。そこ普通の紙パックの飲料だったら全然面白くないんだろうなぁ…そういうところ、もうあからさまだけど嫌いじゃない。気になる三角パック。

 あとは楽器の扱い方とか、次回以降も見てみたいなぁ。演奏するシーンはプロではないので除外したとして、楽器を持ち運ぶ手とか、そういうので見えるものってあると思うから。「バイオリンをケースから出す」ってだけで、なんかわくわくする。いいなぁバイオリン弾いてみたいなぁ。

 

から揚げレモン論争

 私は、「居酒屋とかで頼むメニューあるある」な鶏のから揚げのお皿には、周りにいる人に「レモンかけていい?」って一声かけてレモンをかけちゃう派です。そう、私にとってはから揚げにレモンをかけるのは当たり前なんだよな。この話題が作中登場してきて、もう喧嘩になっちゃうのでは?ってぐらい険悪になりそうな場面なのだけど、この論争で登場人物4人の性格が出てくるよう魅せているのが、流石だな、と。

 私にとって「から揚げにはレモンをかけるもの。だけどそうでない人もいるから、「一応断りを入れる」ってのが「レモンかけていい?」という言葉に込められている私の価値観で。でも、「レモンかけない人」からしてみれば、「レモンかけていい?」っていう断りはもはや「圧力」であり「脅迫」だろ、みたいなのが、高橋一生くん演じる「家森くん」の主張なのであり(私解釈)。「っち、コイツめんどくせーな」ってこの瞬間思っちゃった私は、ダメですかそうですか!?みたいな、悶々とした気持ちになりました。ん~難しいよね。「ほんとはから揚げにはレモンをかけない方が好きなのにな~」って人が今まで身のまわりにいたとしたらどうしよう、って思いました。いるのだろうなぁ…なんて。難しいね。そうやって、人は些細なことで傷つけ傷つけられているのかと思うと、なんだかな、と。

 

言葉のボクシング

 ドラマって、作られている以上基本的に「無駄な会話」ってものがあんまりないような気がしていて、それはやっぱりフィクションであるからで、自然じゃないのだと思うのだけど、ドラマ『カルテット』に関しては、無駄なようで無駄じゃない、けれどやっぱり無駄な言葉の応酬が何度も何度も登場してくるのであります。それを全部が全部分析していくと、結構しんどくて、それが「消耗」の原因の1つかもしれない。あとは、全然会話として成立していないようなやりとりを「あえて」作っているから、それも疲れる要因かも。会話におけるセリフ、口調、仕草、表情全てにおいて「登場人物らしさ」ってのが表現されているドラマだから、『カルテット』は見ていて情報量が多いのです。それにテンポがはやいはやい。それはしんどい。

 会話のリズムで言えば、松田さん演じる「別府さん」がちょっとずれた回答をするものだから、そこで会話のリズムが一拍遅れ、「あれれ?」という違和感が生まれています。また「別府さん」だけでなく、他の3人もとんちんかんなところを時々出してくるから、全然油断できない会話の場面。そりゃあ疲れるわ~と思いました。

 そして、その会話のシーンがどれも「危うい」のであります。ああ、そんなこと言ったらどうなるか…なぜかオロオロしてしまう私。登場人物たちは喧嘩しようと思っているわけじゃない。相手を侮辱しようと悪意をもってやっているわけじゃないのに(一部を除き)、一触即発。ぎりぎりのところまで緊張が高まり、爆弾が爆発してしまいそうな感覚を、会話のシーンでは時々感じました。この4人はどこかズレていて不思議なほど相性がいいときがある、ってのがこのドラマの魅力であるのだと思います。

 

 

限りなく作為的で情報量が多いドラマだから「消耗する」

 まとめるとこんなところでしょうか。

 色々なものが詰め込まれていて、考えるの大好き!な私としては飽きないドラマだと思いますが、同時に色々な仕掛けが満載なので気が抜けないドラマです。「ラブサスペンス」を謳っているのは伊達じゃなく(本当に「伊達じゃない」のかはこれから次第だけど)色んな怪しさを残して2話に続きます。これで「大人の恋愛」が絡んでくるんでしょう?なんか大変そうだ~~~。でも、楽しんでみようと思います。楽しみ。